第4話

俺がZランクになったことは、数日立ってもまだ話題になっている。

どうやら、各国のクランが俺のことを探しているようだ。

だけど、俺は面倒事に巻き込まれたくない。

ただ、会社に行って帰り道にダンジョンに潜る。

そんな生活がしたいんだ。


え、ダンジョン素材を売れば会社辞めても生きられるって?

いや、ダンジョン素材はレンタル倉庫の中にしまってあるけど、売るのがめんどくさいんだよなぁ。

そんな時間もないし、このままの生活がいいから。

まぁ、いつか売るか。


正直、Zランクになっても世間に身元がバレていないから困っていることはない。

だけど、唯一困ったことといえばダンジョンに入るときに許可証を見せないといけないことだ。

許可証には、普通ランクが記載される。しかもリアルタイム更新で。

だから、Zランクだってことがバレてしまう。

だから、Zランクってわかってから一度も深層ダンジョンに潜っていない。

一応言うと、ダンジョンには入れるが許可証無しで入れるのは簡単な上層だけだ。

だから、正直退屈だ。

もう、許可証を見せようかな。

どうせ、Zランクは5人も他にいるんだし、驚くことじゃないでしょ。


「これ、お願いします」

「分かりました、、、、って、Zランク?!」

瞬間、周りがざわめいた。

「すみません、あまり騒がないでもらえると、、」

「すみません、Zランクって世界に6人しかいないので、、」

そうか、俺が加わったから6人になったのか。

そして、俺は久々にダンジョンの下層以降に潜った。

ただ、一つ気になったことがある。

Zランクになると、何か変わるのか?

結局、未だ何も依頼などは来ていない。

正直、そのほうがいいんだけど。

でも、俺が名前を伏せているからのもあるかもな。

世界的に、俺のニックネーム"TKS"は有名になっている。

"DランクからZランクへと昇格した超人"なんて呼ばれてるね。

まぁ、超人と言ってもただずっとランクを測定してなかっただけだからなぁ、、


特に何も起きず数日後。

御子から連絡が来た。

どうやら、クランを作りたいらしい。

だから、初期メンバーとして入ってほしいらしい。


クランかぁ、、、


正直、最初は何もクランのことを知らなかったから聞いてみた。

要約すると、ダンジョン専用のグループみたいなもの。(??)

色々とダンジョン関係のものが安くなったり、優遇もされるらしい。

そして、クランにもランクがあって、クランの貢献度と人数、メンバーのランクから総合的に計算されてランクが出るらしい。

ちなみに今の日本一のクランは「神風雪華」だ。

そして、そのクランのランクは"S"。

クランランクは、D、C、B、A、Sの5つだ。

だから、最高ランクということになる。

御子もそれを目指しているようだ。


まぁ、御子に色々お世話になったから入るか。

「いいよ、お世話になったし、面白そうだから。」


ここから、SSランクの御子と、正体不明のZランクTKSの快進撃が始まる。

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