ラスボス前症候群の俺が、すべての敵に決着をつける

俺の名は尾張総一郎。自他ともに認める完璧主義者であり、何一つ終わらせたことのない不完全者だ。
ふと熱中していたゲームに冷めてしまい、夜風に当たっていると、橋から身を投げて命を絶とうとしている女性を見つける。助けようとしたものの足を滑らせ、共に真冬の沼へとダイブ……。
気づけば、目の前に女神が居た。
なに？　最後の振る舞いに免じて、これまでやり残したことを完遂することができれば、もういちど命を蘇らせてくれるだと？
『ラスボス前症候群』で溜まりに溜まったゲームのエンディングを消化せよと、そうおっしゃる。
しかし生き返ったところで、俺には何も……。
いや、やっぱり頼む。どうしても、死んでも死にきれないんだ！
あの物語を終わらせるまでは────。
真面目なようでそうでもない。ラストバトルの連戦（？）が、今、幕を開ける。