第16話 セーラー服はコスプレ?

玉子はパンチパーマのくるくるのかつらを被り

セーラー服の上着は短くし、スカートは引きずるくらい。

おまけに黒マスクに傘の先端をトキトキに削ったのを持ち、ペタンコの潰しの学生カバンを

ぶら下げて立っていた。


「お玉、、。

まさか、お前、それで学校に行くつもりなのか?」


「カッケェだろ。これがあたいの正装だもんな。」


(お玉、いったいお前はいつの時代に生きてんだよ。今は令和なんだよ。この時代じゃあよ

それはコスプレになっちまうんだよぅーー!)

お京は心の中で叫びまくった。


「あー、いいなぁ。お玉、あたいもさ

も一度着たいよー。

なあなあ、貸してくれよー!」

みよこは能天気祭り。


「あのな、お玉、気持ちはわかんぞ。

でもよ、お前、今度はちゃんと学校卒業するんだろ?半端な気持ちじゃねえんだよな。

だったら、ちゃんと筋とおすのが仁義だろ?

学校の校則守るってのも仁義を通す事なんだ。

わかるか?」


「、、、。」

お玉は黙り込んだ。

(そうだ、お京の言うとじゃねえか。こんな格好して、また、昔のようにしたくて学校行くんじゃねえ。青春したくて行くんだった。)


「お京すまねぇ。

お前の言う通りだ。なんだか舞い上がっちまって本筋を間違うところだったよ。

そだな。校則を守る、ちゃんと卒業する

あたいはその為に学校に行くんだもんな。」


「わかってくれたか?お玉。

入学式にはまだ時間がある。今度はあたいがついてくから学校指定の店で制服を買おうじゃねえか?」


「そっか?お京が付いてきてくれるのか?

そりぁありがてぇ。めんどうかけてすまねえな。」


こうして玉子のどこで買ってきたのかわからない制服はいらなくなったはずだった。


「なあーー!お玉、その制服要らないんだろ?

だったらあたいにおくれよー。

あたい、欲しいよ、ねっねっ、お玉ーー!」


そうだった、みよこと言うあんぱんたんが

いるのをふたりは忘れていた。


ああ、こいつ、いったい何処に着てくつもりなんだろう。

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