第9話 ピー缶

あれから玉子は京子んちでお勉強。

なぜだか?みよこも一緒である。


「お京、三角形の角度ってなんで全部で180度なんだよー!おかしいだろよ、デカい三角形とちんびりの三角形が同じ訳ねぇーぞー!」

玉子はバカだった。


「お玉!!

どうでもいいんだよぅ!

そうなってんだ!ヤンキーのリーゼントと同じで理由なんかねぇんだよ!この野郎!」


「ちっきしょう!誰が勝手にこんな事決めやがっだ!」


みよこは、こりぁダメだ、お玉が爆発すると思ったので、

「お玉、お京、一服すべよ。

なっ、なっ!」


「くそぉ、最近、ムスメがうるせえから電子タバコなんだよな。こんな時はピー缶吸いてえ。」


「ふっふっふ。」

不敵な笑いを残してお京は台所の敷物を

ペロリと剥がすと、そこには床下収納があった。


玉子とみよこは吸い寄せられるように

覗いてみる。

「うぉーーー!すっげえじゃねえか!」


そこにはギッチリとピー缶が隙間無しに

入っていた。


「さぁ、思い切り吸おうぜ!

ただし、庭の裏だせ。旦那にはタバコ吸ってるなんてバレたら大変だかんな。だからよ、

アロマ匂わせてんだからんな!」


「そうだったのかー!おまえんち、便所の消臭剤撒き散らした匂いがしてよ。

便所の流れが悪いんじゃねぇのかと思ってたんだ。」


「ばっきゃろー!あたいだって、アロマなんてやりたかねぇわ。タンベだけはやめらんねぇんだなぁ、、。」



三人は屋敷の裏でピー缶を吸い始めた。


「うめぇー。しびれるなぁ。」


「だいたいよ、なーにが健康の為にタバコはやめましょうだよ。

こちとら命かげでタバコ吸ってんだ。」

お京がのたまわる。


「なぁ、なんで、みんなヤンキー座りしてんだ?」


「おみよ、お前って時々、頭の電波が繋がるなぁ。んとによ、なんでかなぁー。」


「こうやってるとさ、昔を思い出すよぅ。

根性焼き我慢退会とかさ。」

おみよは懐かしげに微笑む。


「あー、あれな。じゅううーーっつのなっ!」

お京も経験があるようだ。


「肉やける臭いすんだよなっなっ。

あー、肉くいてぇーー。」

玉子が叫ぶ。


「ふふふ。

お前ら、ラッキーだぞ!

旦那の教え子からいーい肉が贈られてきたんさ。食うか?」


「くっそー、ガリ勉のやつ、やるじゃないか!

あたい達のためにさ。

泣けるねぇー。なぁ、お玉。」


「なんだけっかー?こういの?

えーとぉ、つるっぱけの恩返しだっけか?」


お京はお玉、お前。国語もダメだな、、。

と知らされたのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る