第8話少女A

「じゃあ、私は玄関までおふたりをお送りしてくるわね。」

お京はふたりと一緒に庭を歩くと急に振り返った。


「おい!てめえら、昔の事をちくりやがったら

ぶっ殺すからな!」


「あら〜、奥様、お下品だこと!」

みよこはからかった。


「おめえ、よくぞ化けやがったな。

おめえのコインがブッ刺さって何人の野郎がキンタマ半潰しになったと思ってんだようー!

あーー!」


「女にわりぃ事やらかしてんだ!

上等じゃねえか?あーーん!」


「お京、あたしゃ、あんたのそう言うとこは

認めてたよ。

だから、あんたとはやりたく無いって。」


「あたいもだよ、お玉。お玉がヤクザの野郎共を絞めたと聞いた時には、たいした女だと思ったさ。」


「なぁ、ところでお京は、なんでガリ勉と結婚したんだ?

あいつ、全然根性ねぇのにさ。」

みよこは不思議に思った。


「あたいさ、高校に入ってからすぐに

母親が死んじまったのさ。

最期の言葉が、いいお母さんになってくれだったんだよ、、。

それまで好き放題して家にも寄りつかなかったさ。」


「そうか、、。

そりぁ、おっかさんに詫び入れるしかねぇわな。」


「そこからさ、一切ケンカは辞めて高校も卒業してさ、短大まで行ったわけさ。

学校の事務の職にありつけてよ。

そこで旦那と知り合ったんだ。

うちのはあたいの事は松田聖子みたいな女だと信じてんだよ。

けっ、松田聖子だよ!

中森明菜にしてほしいもんだ!」


「なるほどなぁ。

松田聖子はねぇわな。やっぱ中森明菜だよな。」


なんてくだらない話なんだろう。

そのうち、少女Aなんざ合唱しだした

三人だった。

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