第7話 バナナケーキ
三人の異常な雰囲気にガリ勉は
昔、カツアゲされそうになった時の
お玉やおみよを思い出して
なんなんだ!これは?と嫌な汗をかいていた。
「まっまあ、うちのバナナケーキを食べながら
続きの話をしましょうよ。」
ガリ勉は必死な声をだした。
「そうだったざますわ。
こんな事やってる場合じゃないざますよ。
玉子さん。」
「そうだ!おい?ガリ勉、どーなんだよ!」
玉子は地がでてしまった。
「あら、あなた、何か相談でしたの?」
「うん、実はね、こちらは玉子さんと言って
私の中学時代の恩人なんだ。
その恩人の頼みだから、何とかしたあげたいんだけどね。」
「まあ?恩人?」
(このクソ暴れ共が恩人だってー?)
「そうなんだよ。
玉子さんは、高校中退なんだ。
それでね、もう一度高校生をやり直したいと言うんだよ。
そこでさ、私の勤めている高校への入学を頼みに来られたんだ。」
「まあ!素晴らしいわ。いくつになっても
人はやり直しできますわ。」
(プププ、その歳で高校生ってか?
チンパンジー並みの頭で高校?
顔洗って出直して来い!)
「おほほーー。
玉子って努力家なんですのよ。
それと友達思いですしね。きっと若い子達とも仲良くできると思うざんすのよー。」
(玉子は族の総長までやってたんだよぅ!
舐めんじゃねぇぞ!)
「あなた、是非是非、お力になってあげてくださいよ。
私も同じ年ですもの。
あなたの学校って今だにセーラー服でしょ?
玉子さんも懐かしいと思うわ。」
(ババアのセーラー服姿見せろやー!
ゲロ笑いだせ。)
「何!ガリ勉!セーラー服なのか?
そりぁいい!ブラザーにスカートなんざ
とんでもねぇと心配してたんだ!
じゃあ、決まりだな。
お前の奥さんもああ言ってくれてまざますから。」
「うーん。
みんなに頼まれちゃたか、、。
少し時間をくれませんか?玉子さん。
できるだけ、頑張ってみますから。
玉子さんも中学の勉強のやり直しをして下さいよ。
あっ、そうだ!
勉強はうちの家内に見て貰えばいい。
なぁ、いいだろ?頼むよ。」
「ええ!
あ、、、。
そうねぇ、、、。」
「じゃあ、決まりだね。勉強はここを使っていいからね。
京子も頼むよ。
さあ、ケーキを食べましょう。」
ガリ勉はいい解決ができたと満足そうにケーキを食べていた。
三人はと言うと、こんなはずになろうとは
思わず、喜んでいいのか?複雑な気持ちになっていた。
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