第31話 ノーシンとパンシロン

続々と学校に車やらバイクやら自転車が集まってきた。


教員室では、

「あれ?なんです!

今日って保護者が集まる催し物ありましたっけー?」


「あれれ?見てくださいよー。

車やらバイクやら自転車の人達、

普通じゃありませんよ‼️」


「きゃー!なんで、反社会勢力の人達がやってきてんですかー??

とにかく、こっこっこつけっここー。

校長先生に知らせましょう!」



一方、玉子の為に集まった昔のダチは

50人は超えていた。

ブォーブォーーーーーっ‼️

鳴り響く法螺貝の音。


「おまえ、コインのお京じゃねえか?

何だよ、それ、そのデカい貝殻?」


「景気づけさ。

湿っぽいのはお玉の柄じゃねえ‼️」


「確かにそうだな、、。

よーし、みんなで車やバイクやチャリで

バリバリやんぞー!」


その無責任な掛け声のせいで

ぶーんぶーん、チリンチリン、バリバリと

やかましい音が鳴り響く。


「お玉ぁーーー!

早死にしやがって、バカやろだせ!」


「あたい達を残して、これかどーすりぁいいのさ!」

良い歳をしたじじいやばばあが近所迷惑も

考えないで叫び出す。




校長室に先生達が飛び込んできた。


「校長先生、テロです!

うちの学校にテロ組織が来てますーー!」


「なんですってぇーー!」

ガリ勉校長は窓から身を乗り出して

外を見た。

(あれは、どうなってるんだ!

んん?あそこで車の上に立って

法螺貝を吹いてるのは、、。)


玉子はと言うと、もう一つの窓から

「おーい!

おめえら、久しぶりじやんかーっ!

おうおう、燃えちまうなぁー!」

両腕をちぎれんばかりに振りまくっている。


(ああ、どうして、こんなになるんだろうか?

京子に来て欲しいと頼んだだけなのに、、。

京子、君は誰なんだい??

あの法螺貝は結婚のお祝いで貰った物だよね。)


「校長‼️

しっかりして下さい。警察を呼びますか???」


「いや、、。警察はやめましょう。

私が話してきましょう、、。」

(警察なんて呼ばれたら、京子まで逮捕されるかもしれないよ。

だいたい、あの人達誰なの?

どーして集まってんの?

玉子さん、呑気に手を振ってるけど。

ああ、頭がガンガンしてきた。

とにかく、ノーシンを飲もう。胃まで痛い。

パンシロンも、、。)


可哀想なガリ勉校長は、震える手でノーシンとパンシロンを飲んだのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る