第19話 入学式は通報とともに
学校まではお京の車で行ったからの良かったものの。
車をおりて、歩く三人の姿は一般の学生や保護者にとっては異常極まる光景だった。
「おーーい!お玉、おみよーーっ!」
物すんごい傍迷惑なデカい声がした。
思わずお京は身構えた。
(やばい奴!ダブルの黒の背広に白ネクタイ。
サングラスに刈り込みの頭。
しかも、ズボンのポケットに手を突っ込んでやがる。チャカか、、。)
「あー、ここだよー。タツーー!!」
みよこは手を振った。
「なんだい、知り合いかい?」
「お京忘れちまったか?
狂犬のタツオだよー。お玉の入学式の話したら晴れ姿を見たいってさ。」
「なんだってぇー?
狂犬のタツーー!あたい、ファンだったんだよう。だけどもさ、おみよ、今日は入学式なんだぞ。
ヤクザを呼んでどーすんだよぅー!」
「あはははーー!
お京。ヤクザじゃねぇから。
あいつ、居酒屋のオヤシやってんだ。
トウシロだよー。」
4人もおかしな連中が大集合。
玉子は緊張のあまり、全く喋らないで下を向いている。
それを取り囲んで、どこからみても
普通じゃない三人が取り囲んでいるのを見た
保護者達。
「ねぇ、アレ大丈夫かしら。
かわいそうにあの女の子暴力団に捕まったのかしら?」
「学校に知らせてきた方がいいかしら?」
「それより、警察じゃないですか?
刃物とか拳銃とか持ってたら、私達も危険ですわよ。」
「もしもし、警察ですか?
あの、危ない人物が学校の入学式に乱入してきてます。
女の子が人質になってます!
すぐに来てください!」
お京とおみよ、タツオは昔話に盛り上がっていた。
「うん?かすかに聞こえるこの音。
サツパトの音だよぅ。」
3人は反射的に走り出した。
とにかく捕まってなるもんかと思ったのだった。
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