第34話 乙女になりたいの

お京に散々のお叱りを受けた玉子。

さすがに歳には勝てず、ヘトヘトだった。


「ねぇ、ねぇーー、玉ちゃん。

学校どうだったの?お友達できた?

ねぇ、玉ちゃんっば!」

孫のじゅんは高校生に憧れてたから

聞きたいばっかり。


玉子と言えば、眠くて湯船に沈みそうに何度もなっていた。


「じゅーん。お母さん、早く出てよー。

次が入らないでしょ。」


いつもの玉子なら缶ビールを風呂上がりに

一杯やるのだけれど、早々と自分の部屋へ入っていった。


「お義母さんどうしたの?

元気ないね?イジメられたんじゃないか?

なぁ?」


「まさかーぁ。あの鬼ババがイジメられる訳ないわよ。

たぶん、頭を使ったからでしょ。

いつもくだらない事しか考えてないんだもん。

あー、大人しくしてくれるって助かるわ。」


玉子は布団の中で、夢を見た。

みんなと仲良くお弁当を食べながら

恋話をしてる。

「玉ちゃんのお弁当美味しそうーー。」


「良かったら食えよ、ほれ。」


「玉子焼き美味しいわー。

これ、玉子の玉子焼きねー。

あははは~。」


「けけけけっーー。」

玉子は夢を見ながら笑い声をあげる。

玉子は乙女になりたかった。




「ママーー!玉ちゃんの部屋から変な声がするの!お化けがいるみたいよ!」


「あー、あれね。

玉ババアが夢見て笑ったんだわよ。

ほんと、気色悪いったらないわよ。

生きてる証拠だからほっときなさい。」

(確かに少しへんだわ、、。

お弁当も全然食べてなかったし。

まさか、ババア狩り⁉️

さすがの変態玉子も若い子には勝てないか、、。

明日にでもおみよさんに聞いてみなきゃ)



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