第35話 キャラ弁がいいのに

玉子は娘の作ってくれた弁当を見た。


「なんだよぅ。茶色の弁当じゃねぇかよ。

レンチンばっかし、、。」


「あのね、私も忙しいのに、作ってやってんのよ、有難いと御礼のひとつでも言えないの?」


「あたい、やだ!こんなの。

カワイイ弁当がいい!キャラ弁がいい!」


「お母さん、私のお弁当を作った時の事を覚えてる?

あじの干物の開きがどーん!とひとつだけ。

ご飯の上にデカい梅干しを10個は敷き詰めてあったし。

サンドイッチの中味は、お好み焼き挟んであったわよね。

シーチキンの缶詰一個だけ。

おまけに、お弁当箱はアルミのドカ弁。

なーにーがーっ、カワイイ弁当がいいだってぇー!クソババアーー!」


「なんだよー、昔の話を蒸し返しやがって

卑怯者‼️」


「ママ、玉ちゃん、やめてよぅー。」


「そうだよ、ママもお義母さんも落ち着いて。」


『うっせえーんだよぅー!

口出しすんじゃねぇーーーーっ!』

ふたりはハモった。


「ジュン、こう言う時は、パパと早く学校と仕事へ行こう、、。」


「うん、ママさ、時々玉ちゃんみたいだね。」


そうなのだ。ママは玉子のDNA🧬を色濃く継いでいた。


「ちっ、こんな弁当じゃよ、乙女チームに

入れないじゃんか。

ちくしょう、、、。」

いじけながら登校する。


「あっ同じクラスの女子だよぅ。

おはよよよよーんーー!」

玉子は走って近づく。


「やだ!あの人、昨日、死んでたおばあちゃんじゃない?

霊??」


「朝なのに?

怖いーー!逃げよう!!」


ふたりはダッシュした。

しかし、こう言う時の玉子は昔のゴロマキ魂に火がついてしまう。


「てめえーー!

まぁーてぇーーー‼️」

形相の恐ろしさ。

カツラはずれて、後ろが前に‼️


「あれ、見てよーーう!

ボブの貞子じゃん!

呪われてるんだよ、私達。」


「ビデオじゃないけど、本物見ちゃったから

だわわわわー。ゼェゼェ。」


ジュリとまゆは、ああ、今時、貞子に

追っかけられるなんて、、。

神様のばかーーっと叫んだ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る