第11話 替え玉

こうして毎日、お勉強したものの、、。


玉子の劣化した脳はひとつ覚えるとひとつ溢れていくと言う酷いものだった。


「てめぇ!ふざけてんのか?一昨日やったばっかじゃねぇかよーーーっっ!!」

お京の方が発狂しだした。


当の玉子は鼻くそなんぞをほじりながら

「んなこも言っても、頭が目いっぱいのパンパンなんだ!ごらぁーーっ!」


そんな時にみよこが言った。

「あんさー、あたしゃ無理だと思うよ。玉子のどてかぼちゃ頭じゃあさー。

あたい考えがあるんだ。うひひ。」


「言ってみろよー、今、あたいは猛烈にコインを投げたい気分なんだ!

てめえ、くだらない事いいやがったら

その口にコイン100枚一瞬で詰め込むぞ!」


「ひぇー、こっえー。

そういきり立つなよ、お京。

つまりよ、お玉じゃ無理なんだろ?

ならさ、替え玉しかねぇじゃんよ?」


「おみよ、おめえのずる賢さは天下一だなー。

だけどよ、誰を替え玉にすんだ?」


おみよはお京をじっと見つめる。


「なっなんだよ!あたいかい?」


「だってよ、この三人の中で短大出てんのお京だけじゃんか。」


「お京、あたいの冥土の土産と思ってひきうけちゃあーくれねぇかい?

このとうりだ。」

お玉は頭を深々とさげた。


しばらくの沈黙のあと。

「あたいもコインのお京だ。ダチにここまで頭さげられちゃ後にはひけないよ。

やってやろうじゃないか!」


「さすがだねぇ、女ぷりがちがわぁ。」

おみよもおだてる。


と言うわけで、結局は玉子は勉強から解放されるのに大喜びしていた。


どうせ、ババの顔など若い者からみたら

同じなんだろうからわかりはしないだろう。


しかし三人は若い頃に散々の悪さをして少年課の刑事さんにお世話になってたから

こんな事くらいはお茶のこサイサイなのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る