第24話 捜索隊

玉子は初登校。


「お母さん!

なんで、眉毛ないの!!

髪の毛の色、金髪じゃん!

それと、カバンじゃなくてリュックだから!

カミソリ出しなさい!絶対持ってんでしょ!

あっ、タバコもね。」


「うっせえなぁ、ちっ。

髪の毛はよ、白髪なんだからよ、仕方ねえじゃん。タバコ?電子タバコなんておもちゃだよ。

カミソリなんて持ってねぇし、、。」


「お母さん、嘘つく時、鼻の穴に指突っ込む癖あるの気がついてないの?

はい、出して。」


(ちくしょう。小うるさい娘だよぅ。)


「ほら、カツラ被って。

眉毛もペタンコハンコしてあげるから。

お弁当。

とにかく、大人しくしなさいよ。

できるだけ、他の人と喋らないこと!!」


「はい、はい。

遅刻するから行くぞ!

おい、火打石やってくれ!」


「いったい、どこに行くつもりなの?

はい。はい。」

カッカッ。火打石から火花が散る。


玉子は燃えちまいそうな気持ちで

学校に行く。

クラスは一年C組。


学校近くなると、学生達が続々と列を作って歩いている。

玉子は嬉しかった。

(まっとうなダチンコ作るぞーー!!

そんでもって女子トークすんぞー!!)

気が付かないうちに拳を天に振り上げながら歩いていた玉子。


「なに?あの子?

こわいんだけど。」


「今年からの社会人の人じゃない?

どうみてもおばさんみたいだし。

きっと嬉しいんじゃない?

色んな事情で高校行けなかったかもしんないよ。」


「そだね。

でも、一緒のクラスだったらやだな。

お母さんより歳上みたいだもん。」


「うん、入学式の怖そうな人達と関係あるみたいだし。怖いよね。

何組なんだろね、、。」


学校に着いた玉子はC組の教室を探していた。

玉子はひどい方向音痴だったので、

ひとり彷徨っていた。


「だーめだ、こりぁ。

ぜんぜんわかんね。

こりぁ、ガリ勉に電話だな。」

玉子はスマホでガリ勉校長に電話をする。


「はい、もしもし?」


「おう、ガリ勉か?おはようさん!」


「玉子さん?何やってんですか?

授業が始まりますよ。」


「そうなんだよ、困っちまってよ。

教室がわかんねぇんだ。

ここはどこなんだ?」


「ええっ!迷子になってるんですか?

わかりました。とにかく、僕が迎えに行きます。

今どこですか?」


「お前、バカなのか?

それがわかりぁ、苦労しないつうの。」


玉子は自分の方向音痴のせいなのに

平気でガリ勉校長に言い返した。


「困ったなぁ、とにかく、じっとしててくださいね。探しに行きますからね。」


ガリ勉校長は校長室から慌てて出て行った。


一方、玉子と言えば、

紙タバコをふかしていた。

(電子タバコは取られたけど、コンビニに行きゃ

紙タバコ買えんだよー。あー、うめえな。)


久しぶりの紙タバコに酔いしれてると

どこからか女の子達なら声が聞こえてきた。








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