第25話 ホストクラブ

(ああー。なんだー?)


玉子は声のする方へ匍匐前進で向かう。


「ちょっとぉー、私達、三万ってお願いしたわよねー?

何かな?この12000円って?

あーれー?耳が聞こえ無くなっちゃったぁ?」


「ごめんなさい。

もう、これ以上は、、。

お金が無いんです、、。」


「はぁー?そんなの私達に関係ないじゃん。

親の財布から抜いてくるとかさ。

頭はなんのためについてんですか?」


メガネでおかっぱ頭の女の子は

正座させられて、髪の毛を引っ張られていた。


「ごめんなさい、ごめんなさいー。」


「ごめんなんてどうでもいいの!

今夜、リコとキララと私でホストクラブ行くのをどうしてくれんのよ!!」


(あんだってぇー。あんな小娘がホストクラブだって?ちくしょ。あたいも行きたい。)


「ごめんなさい。

今度はきっとなんとかします。

許してください。」


「アンナ、今日はこれで許してあげようよ。

その代わりにさ。

あんた、裸になりなさいよ。」


「あはははー。いいね、それ。

ガリガリの裸見せてよー。」


「ごめんなさい、お願いだから許してください。」


ドス!!

メガネちゃんがお腹を蹴られた。


「うるさぁーい!

早くやりなよー。

そうだ、みんで手伝ってあげるよ。」


三人でメガネちゃんの制服を無理矢理脱がそうとしていた。


(やれやれ、おふざけにしちゃ、やり過ぎだねぇ。)

玉子はどどーと走り近寄り、

いきなり、三人にビンタを喰らわした。


「ぎゃー!いったぁーい!」

「ううう、、、。」

三人はあまりの痛さに倒れ込んだ。


「お嬢ちゃん達、おふざけが過ぎるってもんだよ。」


「だっだれ?

何よ、このコスプレババアー!」


「あたいは玉子、一年C組のもんさ。

お嬢ちゃん達こと、誰なんだい!!」


「よくも暴力を振るったわね。

やだ!ほっぺが腫れてきたー!」


「先生に言いつけてやるから!」

「そうよ、何にもしてないのにいきなりほっぺを叩かれたって言うからね。」


そこへガリ勉校長到着。


「玉子さん。ようやく見つけた。

あれ。君たち、こんな所で何をやってるんだい?」


「校長せんーせーい。

私達、みんなでお話ししてたらいきなり

この人がほっぺを叩いてきたんですぅ。

こんなに真っ赤で腫れてきてるんですぅ。

ぐすん。」


「玉子さんーー!ホントなんですかー?」


「ああ、本当だよ。」


「ダメじゃないですか!

暴力を振るったら!」


「あーそうそう。

みんなで、コレ見ようぜ。」

玉子はスマホを出して、動画を再生させた。


「お嬢ちゃん達、可愛く写ってんだろ?

な?どうよ?」


リコ、キララ、アンナは真っ青になった。


「理由はわかりました。

しかし、暴力はいけません。

玉子さんとメガネの貴方は授業に戻りなさい。

あとの三人は先生と一緒に来てください。」


(ババア、やってくたわね。

このお返しはさせてもらうからね。)


(舐めんじゃねぇぞ。小娘。

いつでも来い!!)

三人の生徒は睨みつけながら去って行った。


「あっあのう、、。

ありがとうございます。

わっわたしのせいで、ご迷惑をお掛けしました。

あの、私は2年A組の木村カエラと言います。」


「カエル?あんた、へんな名前だなぁ。

親を怨むんじゃないよ。

あたいは玉子。

たまごが好きだった親がつけたんだよ。

ちっまったくとんでもねぇ、親だせ!」


「あのう、何かお礼をしたいんですけど、

何がいいですか?」


「お礼??

いらねぇよ。

あー、まてまて、カエルちゃんよ。

頼みたい事あったわ。」


「なんですか?お金はもう無いんです、、。」


「いやな、一年C組ってどこにあんだ?」


「えっ?迷子になってたんですか?」


カエラは驚いた。

なぜなら、C組の教室の裏にいたから。

(この人、バカ?いや、違うわ。

お年ですもん。ボケてるんだわ。)

「わかりました。大丈夫ですよ。

教室までお連れしますね。」


こうして玉子はやっとC組にたどり着いた。

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