第26話 高倉健さん
玉子は遅れて教室に入った。
担任は若い女性教師だった。
「遅れちまってすまねぇな。
センコウ‼️」
「ええ?あの、社会人枠の、、。」
(なんだろ?怖いんだけど、、。)
「庭野玉子です。若輩者の未熟者。
ご一斗さん、失礼もございましょうがご存知おきのうえ、お引き回し、宜しゅう頼みます。」
玉子は仁義をきったのだ。
「ねぇ、まゆー、例の人と同じクラスだよ。
最悪ーー。怖いんだけど、今の挨拶なに?」
「知らないわよ。あれ?何語?中国語?
意味ワカメなんだけど。」
そうなのだ。クラスの生徒には何を言ってんだかさっぱり意味不明だったのだ。
「えっ、、。
あの、今の自己紹介ですか?」
(なんだろ?私、わかんないんですけど、
どうして、私のクラスなの!
やだん、まだ教師になって2年目で
初のクラス持ちになったのにぃー。)
「はい。センコウいや、先生。
そうだ、馬鹿野郎じゃなくて、
そうであります‼️」
「みっみなさーん。
社会人枠の庭野玉子さんでーす。
ジェネレーションギャップが
あるみたいね?とにかく、仲良くしましょうね。
庭野さんはあの空いてる席ですよ、座って下さいね。」
(やだん、クラスのみんな固まってるじゃない。
あの人が来るまで、楽しかったのにぃ。)
「はい‼️
では、失礼して座らせていただきます。
ご一斗さん、失礼します。」
「まゆー、後なんだけど、マジ卍にやばみー!」
「何言ってのよ、隣なんだけどー。
罰ゲームですかつうの。」
まゆとジュリは絶望だった。
(うーん。我ながら普通に挨拶できて
満足だな。
ふー、何度も高倉健さんの映画を見て
仁義の通し方を練習した甲斐が
あったってもんだ。
健さん、礼を言わせてもらうぜ。)
何故だ、玉子、ヤクザ映画で仁義の練習をしたんだ。
違うだろー。
社会人としてのマナー教室とかのビデオを
見るべきだろう。
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