第27話 白目
玉子は自分の席についた。
(あー、スッゲエ。
木机じゃねえのか?事務所みたいな机じゃんかよ。椅子もいいねぇ。
スベスベだー。)
玉子は嬉しくなって、ほっぺを机にくっつけてけて、ケラケラ笑っていた。
「ジュリ、ねぇ、おばあさん、笑ってるよ。
ひとりでさ。キモコワゲキヤバじゃん。
やだーーっ!」
「本当だー!ねぇ、ボケてんじゃない?
うちのおばあちゃんとよく似てるもん。」
玉子は興奮して寝てなかったから
知らぬ間にウトウトしてしまった。
玉子には寝癖があった。
それは、白目をむいて寝てしまうことだった。
「ちょちょちょーーっ!まゆーーぅ。
おばあちゃん、おかしいよ、これ?」
「何よ?
あーやだーーっ!!死んでるよ、これ。
だって白目になってるもん。
死んでるよー。こっこわいいいい。」
「どーしよう?
やっぱさ、先生に言った方がいいよね?」
「うん、早くしなきゃー。
私言うわ!
はーい‼️せんせぇーーー‼️」
「はい?何ですか?
これからのカリキュラムの質問かな?」
「先生ーー、、。
後ろの席のおばあちゃんが死んでます、、。」
「えっ?貴女のお婆様が亡くなったの?」
「先生、だから、おばあちゃんが、あの後ろのおばあちゃんがーーっ、死んでます‼️」
きゃーーっ!クラスの生徒達は一斉に立ち上がって玉子から逃げる。
「みっみなさん!
しっかりしてぇーーっ。
とっとにかく、先生が近づいて見ますから。」
(こわいーー。いやーーん。見たくないんですけどぉー。)
先生は恐々玉子の席に近づき、顔を見た瞬間、
「ぎぃゃああああああーー‼️」
と雄叫びを残して教室から走って逃げて行った。
(死んでるよ、アレ、絶対に死んでもん。
目が死んでる人のだもん。
もう、家に帰るもん、やだもん、知らないもーん。)
担任の若月千夏は家に帰ってしまったのだった。
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