第2話 ダチ
数ヶ月前。
玉子は、昔のダチがやっている居酒屋に
いた。
「あー、つまんねぇなぁ。最近よ。」
「なんだよ、玉子、しょぼい事いってんなぁ」
「だってさ、うちの娘は共働きだろ。
だからさ、孫の純は私が育てたそようなもんだろ?
それも手が離れてさ。
やる事さっぱりねえんだよぅ。」
「あははは。これが伝説の族の女総長のなりの果てかよーー!」
「手前、ざけんじゃねぇぞ!
あたしゃ気持ちはあの頃のままさ!」
「よせよ、俺ら62だせー。
さすがに、金属バット振り回は訳にもいかねぇだろ?」
「ちっ、つまんねぇなぁ。」
そこに後輩のチェーンのみーよが入ってきた。
「また、飲んでんなー!お玉!」
「うっせえよ、お前もだろが!」
「みよこ、お玉な、退屈なんだとよ。」
「退屈ー?こっちは親がボケやがって
大変だってのによぅ。呑気なもんだ。」
「もう、何にもねぇのかなぁ。」
「そいえばさ、中坊の時にさいただろ?
ガリ勉野郎。あいつさ、高校の校長やってんだってさ。」
「あいつらしいよ。他校にカツアゲばっかされやがってよ。どんだけ、仕返ししてやったかわかんねぇわ。」
「おう、お玉、お前高校中退じゃん!
そんなに退屈なら高校行けばいいじゃんか!」
「あははは。いいよ、それさ。
ババの高校生ー!受けるぅーー。」
「てめえ、ぶっ殺すぞ!こっちは真剣に相談してんだぞ!」
「いや、お玉、行けよ。高校。ガリ勉が校長なら脅しきくだろ?」
「今更、おべんきょう?ふざけんじゃねぇ!」
「勉強だけじゃねぇぞ。文化祭とか体育祭とか修学旅行とかよ。
あの頃、バカにしてやんなかったけどよ。
今思えば、やっとけば良かったって思うんだ。」
「そうだよ。青春だよ、お玉!」
玉子は考えてみたら、まともに勉強もしたことなくて、孫の宿題も最近ささっぱりとわからない。
孫の運動会とかに行って、みんなで楽しそうにしてるのを見ると羨ましい気持ちもあった。
「よーし、ガリ勉の家をおしえろ!
みよ、一緒に行くぞー!」
ヤンキーは後先は考えない生き物である。
果たして玉子の希望どうりになるのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます