第38話 竹輪のとも
玉子は唇をとんがらかしていた。
(だってよ、知らねえもんさ。カツラがズレてた事、、。)
ガリ勉校長室にはお京がいた。ガリ勉校長はメガネの事でいなかった。
「おい、お玉、毎日、毎日、僕らは鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃうよー、じゃあねえ!
毎日、毎日、あたいを呼び出すじゃあーねーわーっ。」
「だからよ、あたいはカツラがさ、、。」
「言い訳すんじゃねぇ!カツラくらいセメントでくっつけて来いやーっ。
おめえ、セメント使えんだろんがーっ!」
(くっそー、また民謡カラオケ喫茶に行けないじゃねぇかよーう。あゝ、愛しいナマハゲまこちゃんーー。)
「セメントってよー、あれ、カブれるんだぜ。
ハゲちまうだろ?」
「おめぇ、そのセメントで足固まらせて海に投げ込んで、泳がせきたんじゃねえーのか?
あーん?そこから泳げたい焼きくんの歌は生まれたんだぞ。」
「んな訳ねぇだろ?お京面白ろすぎるぜ。
あーはははーっ。」
「笑ってる場合じゃねぇ!
バカ玉。堅気のお嬢ちゃんに頭突きするなんて
元ヤンの風上にもおけねぇ。
どう、詫び入れるつもりだ?あーん?」
「だからよ、カツラがよぅ、、。
あたいもヤキが回ったんだな。申し訳ねぇ。」
「とにかく、あたいとダンナで謝りに行くからよ。てめえは事の次第が落ち着くまでは
謹慎だかんな!」
(あー、めんどくせぇ。やっぱり、お玉なんぞは学校に行かせるもんじゃねえわ。
担任は精神的に参ったって担任辞めたいってるらしいし。)
「あい、すまねぇこった。
あたいは大人しく家にいるよ。」
「あー、そーしーてーおーくーれー。」
玉子はカツラなんて被るからいけなかったんだ、地毛にすればこんな事にはならなかったのにと思いながら帰り道をタバコを蒸しながら歩いた。
「おーい!お玉ーー!」
「おみよーーっ。」
玉子は悲しかった。情けなかった。
おみよに慰めて欲しかった。
おみよに話した。
「ふーん、そいでさ、退学つうことか。
まっ、2日ももちゃいいんじゃん。
なっ、お玉、元気だせよー。
ちょいと、電話してくらーよー。」
玉子はやはり持つべきものは竹輪の友だとしみじみ思う。
「あっもしーもーし、タツ?
お玉よー、退学だってよーぅ。
賭けはあたいの勝ちだね。だいだい、お玉が
一週間ももつわけねーじゃん。
甘いんだよーーだ!」
(なんだ、お前ら賭けしてたのか、、。
くっそー、胴元はあたいがやりたかったー)
玉子、そこじゃないから、悔しがるの。
良く考えてよね。
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