第14話 さっさと終わり

(まずはノックをするんだよな、ちっ本当は扉なんか蹴りたいとこなんだけどよ。)


コンコン。

「失礼します。」

(ゲゲー?いったい何人の先公集めてんだよ。

暇か?お前ら暇か?)


「どうぞ、お座り下さい」

ガリ勉校長が着席を促す。


「失礼いたします。」

(あーどっこいしょっと)


「受験番号007 野留野家 玉子です。」


「やるのか たまこ?

とても珍しいお名前ですね?」


「あー、はい。

うちのマブいや、亭主??えっと、、。」

(予想外の質問じぁねえかよ。バカ丁寧に

なんつうんだっけ?あーー?ガリ勉!)


玉子はガリ勉校長にぶっ刺すような視線を送った。


(ひぇーーー。

玉子さんが睨んでる。なんだ??

あっわかりましたよ。)


「野留野家さんの苗字はご主人の出身地に多いのではありませんか?」


「そうです。ご主人が九州なんですざます。

おーほほほほ。」

(ガリ勉、サンキュー)


「野留野家さんは、そのお年で何故、高校に行こうと思われたたのか教えてください。」


「はい、聞くも涙語るも涙の話でございます。

父がダンプカーに轢かれてあの世に。

そこからは母と二人で貧乏のズンドコになりました。私も大好きな勉強を諦め働く事にしました。この歳になり、このままでは孫の宿題も見てやれない。そう思うと辛くて。

もう一度高校で勉強してみっかと思い候です。」

(我ながら上手く喋ったもんだ!)


「なるほど。大変でしたね。

どうでしょう?みなさん。

学びたいと言う気持ちに年齢は関係ないじゃありませんか?

野留野家さん、立派ですよね。」

ガリ勉校長は、早く面接を終わらせなければ

とんでもない事故が起こると察知し、

そうやって無理矢理、誰よりも早く面接は強制終了させられた。


「ふー、やれやれだよ。

ガリ勉に借り作っちまったな。

ありがとよ。」


玉子は校舎の裏で待ってるだろうお京とおみよのところへ行った。


そこには、

腹を抱えてのたうち回るお京とゲロリンを

吐きまくってるおみよの地獄絵図が

待っていた。


「やっぱりな、、、。」

お玉は食べなくて良かったと思った。

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