第22話 滑ってます
ガリ勉校長は壇上のマイクの前に立った。
「はい、みなさん、入学おめでとうございます。
はい!
みなさん、親という漢字を知ってますね。
これは、木の上から見守ると言う意味があるんですね。」
そういうと、先端ワケの肩までの髪を手で耳に掛けた。
そう、ガリ勉校長は金八先生で登場したのだった。
「ええっ!金八先生ーーー!
校長ーーー!滑ってますから、羽生君の
トリプルアクセルより滑ってますからー!」
「教頭先生!酷い事になりましたね。
この沈黙状態どーするんですか!」
「なんだ?ありぁ、お京、お前のマブは
何やってんだぁー?」タツオは金八先生を知らなかった。
「しらねぇよ!あのバカ助、受け狙ってんな?
そもそもお前の話なんかつまんねぇから
どーでもええんじゃーい!!
恥かかせやがって!」
お京はプンスカに怒っていた。
「あー、懐かしいな。あれ、金八先生だろ。
すっげえ似てるじゃん。」
ガリ勉、お前の味方はおみよだけである。
「みなさん!
人という字は二人の人が支え合ってできてます。
そう、例え、腐ったみかんがあっても
全部、腐ってる訳じゃないんですよ。
腐ったところもあれば、まだ食べられるところもあるんです。
学校にはいろんな生徒がいます。
人を見かけで判断しないで、話し合ってみて下さい。
そうしたら、相手の良いところが見つかるかもしれません。
今年は社会人入学の生徒もいます。
年齢はちがいますが、どうか色眼鏡で見ないで
自分の心の目で見極めてください。
私はそれを期待してます。
高校の三年間を有意義なものにしてください。
これを祝辞とさせていただきます。
3年B組 坂本金八。」
ガリ勉校長の祝辞が終わった。
お京達は拍手した。
それにつられてか?他の保護者や教職員も拍手となり、生徒も。
体育館は拍手で鳴り響いた。
玉子は感動して泣いていた。
「ちっきしょう!ガリ勉の奴、良い事喋ってくれるじゃねぇか!
あたいは感動したよ。」
ガリ勉校長は、壇上で一礼をして
奥に引っ込んだ。
バターン!
ガリ勉校長はあまりの重圧から解放されて
気を失ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます