僕は自分を見付ける―他人の人生に成り代わった僕。新たな人生を歩む。

4年制の大学に通う皆川海は、ついさっき恋人にこっぴどく振られたところだ。

あっという間に他人、いや寧ろ嫌悪される存在に成り下がったかもしれない。
何も考えられずアイデンティティークライシスに陥る。
最愛の恋人との時間は、まるで宝石のようで、さながら我が世の春を謳歌していたところであった。

茫然自失となり、背けるように閉じた目。
その後情景は雪崩のように一気に変化した。

耳に溶け込むように入ってきた女性の歌声
突如鳴り響く鐘の音
割れるような頭の痛み
謎の儀式の光景

ようやく覚醒したかと思えば、そこは森の近くに建てられた洋館のベットの上であった。

目の前には母と名乗る見覚えのない女性と献身的なメイドが控えている。
あなたは？それに一体僕は誰なんだ・・・？？

――これは女々しくて自信…続きを読む