天才サバゲーマー、異世界に転生す〜雑魚スキル【創造】でいらないと王城から捨てられたけど、サバゲー知識活かして弱肉強食の異世界で生きてみようと思います!〜
藍坂イツキ(ふぁなお)
幼年期編
第1話「転生と神」
「魔法はゴミでしょ、やっぱり時代はアサルトライフル!」
かの有名な英雄「カイト」は怠慢な帝王を殺害後に高らかに宣言する。
このお話はそんな彼の成長期である。
年収500万、職業はエアガン紹介兼FPSゲーム実況者。
俺の名前は界隈では名を轟かせつつあるサバゲ―の天才こと、今年で30歳の久本国忠だ。
ちなみに独身、どうにかアニメのヒロインみたいな女性が現れて欲しいものだが……まぁ、顔を隠してるブサメンじゃあ無理っぽい。
「いやぁ、本物の銃は初めてだなぁ!!」
そんな俺はとある動画の撮影で、アメリカのカリフォルニア州にあるガンシューティングセンターにやってきていた。
ゲームやサバゲ―で玩具としての銃は打ったことはあるのだが実銃はないためそれはそれは凄く楽しみにしていた。
のだが……。
ガンシューティングセンターへ向かう移動中。俺はとある銃撃に襲われた。
一瞬、トンプソン短機関銃が見えて興奮しそうになったのも束の間。
それはもう極限状態で、警察官とテロリストの銃撃戦に発展し、流れ弾に被弾したのだ。
寒くなり、どんどんと遠のいてく意識。まるで身体から引きはがされるかのようで、苦しくなり、俺は最後を悟る。
中々悪くない人生だった。
20代の頃は色々とあって大学を中退して、2年フリーターとして過ごし、地味に上げていた動画が徐々に人気を博して、俺はFPSのゲーム実況者兼エアガン紹介者としての道を突き進んできた。
そんなある日誘われたサバゲーでその世界の面白さを知り、以降は家にセットを用意して没頭していった。
スペシャルゲストで来てくれた陸上自衛隊の特殊作戦群の元隊員と勝負をし、負けはしたものの四人中二人を撃破する活躍をして、サバゲ―界隈のダークホースとしての人生を送ってきたのだ。
ようやく始まった俺の人生を……と、そう思っていた最中だと言うのに。
そんな人生を走馬灯のように振り返って、今になって寂しくなっていく。
もう少し、何かできたならと——そう思っていたのだが、な……。
「ん……な、なんだっ……?」
真っ白の閃光が瞼を抜けて瞳に映り、俺は思わず手を仰いだ。徐々に戻っていく視界に驚きながら起き上がると、そこは一面真っ白な世界だった。
その光景は俺の故郷の街並みに似ていて、夢でも終わったのかと勘違いしそうになったがすぐに理解した。
『やぁ、今度は君なのかい?』
すると、何やらおかしな声がする。俺はハッとして、周りをぶるぶると見回すがそこには誰もいない。
『僕の声がおかしいのかい? まさかぁ、何を言っているのかなぁ?』
一体、誰なんだ。この声は。
焦った俺は腰を少し落として、戦闘態勢に入った。ぶら下げているわけでもない銃を手に取ろうとしたが無いことにすぐ気がついて、自衛隊員に教わった武術の体勢をとる。
『おいおい、僕は君の意識に語り掛けているから、戦おうとしても戦えないよ?』
にひひ、と笑みが浮かぶ声がして俺は余計に身構えるがその声は一層深みを増した。
『はぁ……さすがにそろそろ、本題に行きますかぁ』
気の抜けた声で何を言っているんだ、こいつは。
本題?
いや、というか……俺はなぜここにいるんだ。確か、俺はアメリカのカリフォルニア州で……ガンシューティングセンターに向かっていて……その途中で——。
『君は銃撃されて死んだんだよ』
確かに、そう言えばそうだった。
俺は変なテロリストに拉致られて……警察との銃撃戦の流れ弾に当たって死んだ。
『そうそう、何とも不幸だったねぇ』
ってなんで知ってるんだよ、お前。
というか声が高くて、キンキンしやがる。
『僕の声はそんなに嫌いかい?』
あぁ、不快だ。
それになんで俺の考えていることが分かるんだ。
『だってほらぁ、ここでは君は喋れないだろう?』
何言ってんだ。俺はしゃべれ――ッ⁉︎
俺が口を開けようとすると声を発するどころか口元が動かなかった。
というよりも体自体動かない。動かないと言っても少し違う。どちらかと言うと制御下にないと言うか、不思議な感覚だった。
『でしょ? とにかく、今の君はここで何をしたくなっても何もできないし……それに、今すぐに開放してあげるからもう少しだけ待ってくれ』
呆れ声で言ってくる謎の声。そう言われても、黙っていられるほど俺も出来ていない。
『まぁまぁ、落ち着いてって……いろいろ説明しなくちゃいけないし。後ろも詰まってるからねぇ~~』
後ろ? それに、説明って何なんだ? 俺は死んで……それで終わりじゃないのかよ。生憎と輪廻転生は信じていないのでね。
『無宗教かい? そうかい、そうかい、それは結構。ただ、今自分の状況を見つめ直せば転生自体はあるんだよ?』
は?
転生?
そんなラノベみたいな話なんてあるわけ——
『あるんだよねぇ。そして、今君は私によって転生を果たそうとしている。ちなみに、もう9割完了している。あとはユニークスキルを君に授けていざ転生って言う感じだね』
っはや!?
俺は転生するのか、本当に?
ないと思っていたが……まぁ、俺も往生際は悪くない自信がある。あるなら別だ、それにユニークスキルが授けられるって……そうか、よくある転生ものである主人公最強系の!
そんなこんなで俺は流れに身を任せて、不意に湧き上がってきたワクワクドキドキに身を任せていると——
『よいしょ、んじゃあ君に与えるスキルはどうしようかねぇ』
経験値無限とか、攻撃力カンスト、防御力カンスト……最強系の能力なんてごまんとある。
これは、俺で選べるんだよな! もしそうなら――俺にもっ。
『——何馬鹿言ってるんだよ、君は。私がランダムで選ぶんだ』
なっ——マジか⁉
『あぁ、もちろん。そう簡単に最強スキルなんてあげるわけないじゃんって?』
っち。
なんだよ……。
『ははっ、そうへこまないでくれよ。せっかくだから、魔法有りの異世界に飛ばしてあげるから元気出してっ』
俺に能力がなきゃ生きてけないじゃんさ、だいたい。そう言うのは世界バランスがおかしくて、死んじゃったりするかもだろ。
『まぁ、そこは努力次第かなぁ。っと、よし、これにしてあげよう。君、少しウザいし、最弱系のスキルを与えてあげるよ!』
は⁉ 最弱、って。
おい、ちょっと待て!!
そこは普通最強じゃないのかよ!!
『最強系のお話なんて……おもろくないじゃん?』
俺の第二の人生をそんな消耗品に言うなよ!!
『実際カクヨムに投稿されてるけど?』
何言ってんだ、こいつ。
『ま、そこはいいけど……』
良くねえ。
ていうか、ランダムじゃねえじゃんか!
しかし、そう思ったのも束の間。急に謎の声はしなくなった。
無言のまま数秒が経ち、急激な睡魔に襲われ、スキルの名前も聞くことが出来ず、そのまま意識を失った。
どうやら俺は異世界に転生するらしい。
<あとがき>
☆評価、コメントレビュー、フォローなどなどよろしくお願いします!
追記
こちら異世界ファンタジーの最新作です! 是非読んでみてください!
『魔法至上主義な異世界で【魔法適性0】の無能貴族に転生して領地を追放されたけど、俺だけが持つ固有スキル【
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