概要
マレー、中華、インドの三民族が同居し、宗教も料理も文化も多様なマレーシア。
太平洋戦争時には戦場となり、戦後は「ルックイースト」が標榜されるなど、日本との縁も深い国を、飯テロ気味にご紹介します。
一話1000文字前後、全部で3万字以内。
パート1・2・3とありますが、どこから読み始めても大丈夫です。
※人殺しは犯罪です。殺し屋は反社会的職業です。よい子はマネしないでね。
※『〇〇急行殺人事件』のようなミステリー、あるいはクライムサスペンスではありません。あくまでメインは旅日記。マレーシアの風景、文化、人、料理……をお楽しみください。
※お仕事の場面にだけ、すこし残酷描写があります。
※概ねフィクションですよ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!「違い」が世界を豊かにしている。
『世界の車窓から殺し屋日記』シリーズの第三弾。
お話の主人公である殺し屋が、各地での仕事を行いながら、その土地の料理を食べたり、歴史や文化、街の雰囲気なども紹介するという、旅の内容が兼ね備えられています。
そして今回の仕事の土地はマレーシア。
主人公が最初に降り立ったペナン島。ここでは香辛料の利いた風味のいい料理を食べつつ、その土地の歴史や文化などにも触れていきます。
見どころは沢山ありますが、今回気になったのが「マレー人」「華僑」「タミル人」という三つの民族が生活しているという部分。歴史的背景や宗教、文化が違う彼らの生活を主人公の目を通して読むことで、「(国・歴史・文化・宗教・…続きを読む - ★★★ Excellent!!!殺し屋さんの旅、新たな舞台はマレーシア!
特異な能力を行使することで、復讐の依頼を請け負う殺し屋の物語『世界の車窓から殺し屋日記』シリーズ。3作目の舞台は、マレーシアです。
ターゲットを手にかける前後のお食事パートでは、今回も殺し屋さんの五感を通して、お料理の色彩の豊かさや、異国の空気の匂いが鮮やかに伝わってきました。いくつもの民族が共生している国のあり方が、硬めの文章で丹念に描写されていて、物語の世界へするすると心地よく引き込まれます。
甘い料理も、辛い料理も、たっぷり堪能させていただきました。命のやり取りをするハードボイルドな世界も、それでも日々を生きていく日常も、丸ごと贅沢に味わえます。このお話からでも楽しめますが、ぜひシリー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界を巡る殺し屋、マレーシア編。死線を越えた慧眼で語る、異国の今の姿
世界を股にかける凄腕の殺し屋が、異国に降り立ち、殺しの任務を遂行する……よりもたくさんの文量で現地ガイドをお届けしてくれる、『世界の車窓から殺し屋日記』シリーズ!
トルコ・ブラジルと来て、今回はマレーシアです!
普段何げなく食べてるアジアンフードが実はマレーシア料理だったり、大人気観光地・シンガポールのお隣だったり。あまりよく知らなかった、あるいは意識してこなかったマレーシア事情がこの作品でよくわかります。
いくつもの民族が共存し、言語が飛び交い、宗教が混在する。日本人にはあまりピンと来ない生き方が、マレーシアではごく当たり前の光景になっています。対立せず、衝突をうまく回避しながら共に在…続きを読む - ★★★ Excellent!!!殺し屋さんの目を通してマレーシアの貌が見えてくる
世界をまたにかけて活躍する殺し屋エッセイシリーズ、第三弾はマレーシア。
宗教も文化も異なる三つの民族が共存する国の深くて複雑な事情と、南国ならではの色鮮やかで大胆な食。赤道直下で生きる人間の逞しさと自然の猛々しさ。
殺し屋さんの視線を通して、今まで知り得なかったマレーシアの貌が見えてきます。
抑制のきいたモノローグはこのシリーズの個性ですが、その硬めの口調によって殺し屋さんの考察が引き立ちます。そして同じ口調で自虐的に甘いものレポートをされるギャップも面白いです。
ぜひ一緒にマレーシアの旅へお出かけください。ただし、飯テロが多発しますのでおなかの空いているときはご注意を。 - ★★★ Excellent!!!殺し屋さんと巡る、マレーシアのグルメと文化〜揺るがぬ死生観を添えて〜
特殊能力を用いて復讐を肩代わりする殺し屋さんの旅日記シリーズ第3弾。今回はマレーシアの旅。
異国の風景やそこに暮らす人々の息遣いまで伝わってくる描写で、日本にいながら旅気分が味わえます。
今回もやはり、異国情緒あふれるグルメ情報盛りだくさん!
安くて美味しい屋台の料理や、お仕事後恒例・禊のスイーツ特集など、見どころ満載です。
古風な語り口で綴られる殺し屋さんの死生観も、相応の重みを持って伝わってきます。
文化の入り混じる土地での多様な在り方、生きるための食事、そこで見つめる生命と死。
今回も読み応えたっぷりでした! 面白かったです! - ★★★ Excellent!!!復讐の手を下すのは、自分でなくてもいい☆
世界を股にかけて殺しを請け負う男がいる。
今回はマレーシアへ飛んだ。深い観察眼から反映される街の景色は煌びやかで、昼夜を問わず現地の魅力を吐露してくれるのが嬉しい。グルメの情報も同様、日本マレーシアの定番から名前すら知らなかったソウルフードまで食べ尽くしてくれる。特にスイーツ系は、殺しの禊でもあるので念入りだ。
さらには、マレーシアの文化や歴史にも言及し、独自の解釈も述べてくれる。愛宕はマレーシアの事情に無知なので、とても興味深く、そして面白く読ませていただいた。
もし復讐を考えているならば、彼に依頼をかけてみるのはどうだろうか。世界各地、仕事とあらばどこへでも向かってくれると思う。次の舞…続きを読む - ★★★ Excellent!!!★大人気シリーズ★ 殺し屋さんの旅のエッセイ、第三弾はマレーシア編!
特殊な能力を持った殺し屋さんの旅のエッセイ、第三弾です。
作者・久里 琳さんの古風で硬い文体は、そのまま生真面目で己に厳しい殺し屋さんのキャラクターとして、見たこともないような難しい漢字使いも含めて不思議なくらいぐいぐいと読めてしまいます。他では見ないような硬さにも拘わらず、そういう性格のキャラクターの一人称だとこんなにも読みやすいのかと驚くほどです。まるでマジック!
そんな硬く古風な語り口調で、今回はマレーシアの食文化、宗教、歴史、産業や自然について丁寧に触れられています。まるでドキュメンタリー番組を視ているかのように詳らかな文章は、文字を追っていると常夏の国の熱気を帯びた風や、屋台か…続きを読む