第12話 インドカレーと海鮮料理
その日
「本格インドカレーよ」
と自信ありげな笑みで返した。
成る程本格的ではあるらしい。と云うのは、皿の代わりに
葉の皿となれば当然のように、スプーンを使わず手で食べる。手で食べることに関してはインド人だけでなく、マレー人も同様だ。見ていると彼らは実に器用に指を使って食事する。スープ状の
彼らに倣って指で食べてみたが、直ぐに無理だと諦めた。
本格インドカレーとの評は正当だった。
飲み物はマンゴーラッシー。カレーに副えられてみると、激甘のラッシーとカレーの組合せは必然だと分かる。一口だとたいして辛さを感じないカレーも、辛さの波状攻撃に口腔が痺れてきている。中和するのに水では足りないのだ。
香辛料の発汗作用は
遅めの昼食を済ませた後はホテルに入り、暫く
夕食は漁村の海鮮料理だ。
生け簀には伊勢海老ほどもある
茹でられた蟹は命を失ったあとでも堅い甲羅に守られ、むざむざ食用に供されてなるものかと抗う。そこで渡されたのが木槌だ。木槌で叩いて殻を割り、身を出すのである。薄く塩味が振ってあるが、醤油をつけるとより旨い。刻んだ青唐辛子を混ぜた醤油はピリ辛だ。
靭は脂たっぷりの白身を蒸したもの。華人のコラーゲン好きは此処でも健在だ。
巻貝は
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