4日目 日曜日
第13話 マレー鉄道
今朝は誰に遠慮することもなく屋台飯を食べられそうだ。ホテルの朝食もけして悪くはないのだが、どうせならば此の地ならではの料理を食べたいと云っても
例えば
屋台の
多くの言語が飛び交うなかで、マレー語は全国民が話すことが出来る。実はマレー語はインドネシア語とほぼ
と云うことは、英語と華語とマレー語をネイティブレベルで話せる中華系マレーシア人は世界で最も多くの人間と会話する語学力を持つ集団なのかも知れない。
その抜群の語学力を持つポーリィさんは、ホテルに帰ってきた私をロビーで見つけるなり荷造りを急かした。どうやら列車の出発時間を勘違いしていたらしい。だが文句はつけるまい。今日は半島縦断し、首都クアラルンプールへ陸路移動の決行日。飛行機を使えばすぐ着くものを、私の希望で長い列車旅だ。
当局に私がマークされているとは考えられないものの、やはり世を憚る殺人者であり犯罪組織に属する身でもある。予定外の行動で余計なリスクを負うのは悧巧とは云えない。のみならず、自身が犯罪被害に遇うリスクまで負うのだ。私の
タイともシンガポールとも通じているマレー鉄道は複数の路線からなり、その一つがバタワースを起点としている。クアラルンプールまで約六時間、
昼食は列車の中で食べることになりそうなので、ポーリィさんが屋台を廻って買ってきてくれた。何が出てくるかは
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