世界の車窓から殺し屋日記3 マレーシア編

作者 久里 琳

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★★★ Excellent!!!

特異な能力を行使することで、復讐の依頼を請け負う殺し屋の物語『世界の車窓から殺し屋日記』シリーズ。3作目の舞台は、マレーシアです。
ターゲットを手にかける前後のお食事パートでは、今回も殺し屋さんの五感を通して、お料理の色彩の豊かさや、異国の空気の匂いが鮮やかに伝わってきました。いくつもの民族が共生している国のあり方が、硬めの文章で丹念に描写されていて、物語の世界へするすると心地よく引き込まれます。
甘い料理も、辛い料理も、たっぷり堪能させていただきました。命のやり取りをするハードボイルドな世界も、それでも日々を生きていく日常も、丸ごと贅沢に味わえます。このお話からでも楽しめますが、ぜひシリーズ1作目から殺し屋さんの旅路をたどってみてはいかがでしょうか。とても面白かったです。

★★★ Excellent!!!

世界を股にかける凄腕の殺し屋が、異国に降り立ち、殺しの任務を遂行する……よりもたくさんの文量で現地ガイドをお届けしてくれる、『世界の車窓から殺し屋日記』シリーズ!
トルコ・ブラジルと来て、今回はマレーシアです!

普段何げなく食べてるアジアンフードが実はマレーシア料理だったり、大人気観光地・シンガポールのお隣だったり。あまりよく知らなかった、あるいは意識してこなかったマレーシア事情がこの作品でよくわかります。

いくつもの民族が共存し、言語が飛び交い、宗教が混在する。日本人にはあまりピンと来ない生き方が、マレーシアではごく当たり前の光景になっています。対立せず、衝突をうまく回避しながら共に在るということ。そこに学ぶことはとても多いはずです。

お気軽にグルメツアー気分で参加するもよし、殺し屋さんのガイドに耳を傾けながら国の歴史に浸るもよし。
海外旅行気分で、ぜひ一度本作へお越しください♬

★★★ Excellent!!!

世界に事情について造詣が深く、特に多様な文化が混じり合う重層的な世界を魅力的に描かれてきた作家さんの面目躍如と言うべき旅エッセイです。
マレーシアは東南アジア圏の中でもタイやフィリピンに比べてやや日本人に馴染みが薄い印象を受けるのですが、一読すればきっと、その圧倒的な自然や食の魅力にぜひ行ってみたくなる事請け合いです。
また、我々のあまり知らないマレーシアのお国事情にも驚かされます。
世界の広さと豊かさを感じさせる作品です。

★★★ Excellent!!!

世界をまたにかけて活躍する殺し屋エッセイシリーズ、第三弾はマレーシア。
宗教も文化も異なる三つの民族が共存する国の深くて複雑な事情と、南国ならではの色鮮やかで大胆な食。赤道直下で生きる人間の逞しさと自然の猛々しさ。
殺し屋さんの視線を通して、今まで知り得なかったマレーシアの貌が見えてきます。
抑制のきいたモノローグはこのシリーズの個性ですが、その硬めの口調によって殺し屋さんの考察が引き立ちます。そして同じ口調で自虐的に甘いものレポートをされるギャップも面白いです。
ぜひ一緒にマレーシアの旅へお出かけください。ただし、飯テロが多発しますのでおなかの空いているときはご注意を。

★★★ Excellent!!!

特殊能力を用いて復讐を肩代わりする殺し屋さんの旅日記シリーズ第3弾。今回はマレーシアの旅。

異国の風景やそこに暮らす人々の息遣いまで伝わってくる描写で、日本にいながら旅気分が味わえます。
今回もやはり、異国情緒あふれるグルメ情報盛りだくさん!
安くて美味しい屋台の料理や、お仕事後恒例・禊のスイーツ特集など、見どころ満載です。

古風な語り口で綴られる殺し屋さんの死生観も、相応の重みを持って伝わってきます。
文化の入り混じる土地での多様な在り方、生きるための食事、そこで見つめる生命と死。
今回も読み応えたっぷりでした! 面白かったです!

★★★ Excellent!!!

世界を股にかけて殺しを請け負う男がいる。
今回はマレーシアへ飛んだ。深い観察眼から反映される街の景色は煌びやかで、昼夜を問わず現地の魅力を吐露してくれるのが嬉しい。グルメの情報も同様、日本マレーシアの定番から名前すら知らなかったソウルフードまで食べ尽くしてくれる。特にスイーツ系は、殺しの禊でもあるので念入りだ。
さらには、マレーシアの文化や歴史にも言及し、独自の解釈も述べてくれる。愛宕はマレーシアの事情に無知なので、とても興味深く、そして面白く読ませていただいた。

もし復讐を考えているならば、彼に依頼をかけてみるのはどうだろうか。世界各地、仕事とあらばどこへでも向かってくれると思う。次の舞台はどこだろうか?
作者さまの次作にも期待してます☆

★★★ Excellent!!!

特殊な能力を持った殺し屋さんの旅のエッセイ、第三弾です。

作者・久里 琳さんの古風で硬い文体は、そのまま生真面目で己に厳しい殺し屋さんのキャラクターとして、見たこともないような難しい漢字使いも含めて不思議なくらいぐいぐいと読めてしまいます。他では見ないような硬さにも拘わらず、そういう性格のキャラクターの一人称だとこんなにも読みやすいのかと驚くほどです。まるでマジック!

そんな硬く古風な語り口調で、今回はマレーシアの食文化、宗教、歴史、産業や自然について丁寧に触れられています。まるでドキュメンタリー番組を視ているかのように詳らかな文章は、文字を追っていると常夏の国の熱気を帯びた風や、屋台から漂ってくる香辛料の香りを感じるかのようです。
でてくる料理はどれもとっても美味しそうなので、空腹時は注意ですが(笑)、読めばマレーシアに行ったような気になる、否、行きたくなること間違いなしです☆