概要
温かい家族と共に平穏な毎日を送る彼だったが、ある日、村を"放浪王"ガロード率いるゴブリン達に滅ぼされてしまう。
攫われた姉を救うため、一人世界を彷徨うロア。
身も心も疲弊し、頼みの綱だった魔法すら失いかけ。
絶望に打ちひしがれる彼はある日、砂漠の真ん中で剣舞の踊り子――アーシャと出会う。
「ロア、お前の力を貸してくれ。私は、お母さんを……たった一人の家族を助けたいんだ!」
「いいのか? 俺は魔法もロクに使えない、ただの魔導師くずれだぜ?」
この邂逅が絶望に溺れる彼を救い、世界の命運を覆す冒険の始まりとなった。
ラノベ好きも生粋のファンタジー好きも楽しめる
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!たまに心折れる全ての人へ──届け! 優しくも熱い再生の物語
冒頭を読んだ瞬間、確信しました。
「これは魂を削って書かれた小説だ!」と。
度肝を抜かれる筆力。
真っ先に称えたいのはここです。
第一話の死、とんでもないですよね。
こんなにも精度が高い本人の死を描いた小説は、そうそう見当たりません。
死に対して真摯であるということは、つまり、生命に対して真摯であるということなのだと、私は思います。
そう、真摯! 誠実! 愚直!
この物語を表そうとしたら、そんな言葉が頭に浮かびます。
未来をはぎ取られていく衝撃を、言葉にならない身体の苦痛を、文字を貫いて描き切ろうとするまっすぐなその筆は、奔放に暴れ回るこの世界を、ずっとずっと力強く支え続けます。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しくも残酷な世界を隅々まで味わいましょう!
ある日、平和な生活が無慈悲に蹂躙されて。
大切な家族を理不尽に奪われて。
抗いようもない絶望の描写は読んでいるこちらの心までもがひしひしと蝕まれるようです。これほどまでに感情移入してしまうのは、ひとえに作者様の筆力が高いためでしょう。絶望の描写の他にも星空の下での一時や迷宮攻略のシーン等、心を呑むほどに美しい光の描写が圧巻です。世界がしっかりと描写されているからこそ、主人公たちの心の叫びが読者の心を切に揺さぶるのです。
圧倒的な絶望の中、それでも必死にもがき前進し続ける主人公たちの旅をずっと応援したくなる。そんな没入感に浸れる作品です。ぜひ一読してみてください。おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!これは絶望から始まる《希望》の物語
最後に小説を読んで胸が熱くなったのはいつだったか。
挫折を繰りかえし、傷だらけになり、葛藤し、時に大事なものを奪われながら、懸命に希望にむかって腕を伸ばすヒーローの姿に憧れたのはいつの頃だっただろう。
憧れの職業についたやさきに失敗をし、精神を病み、家族に愛されることもなく、三十余年の人生に幕を降ろした《俺》……異世界に転生したからには、同じ失敗を繰りかえしたくない!と胸に誓うも、悲劇は無情にも《俺》を襲う。
家族を奪われた悲嘆、故郷を焼かれた絶望。魔法までつかえなくなり、途方に暮れながら、それでもなお、《俺》は進み続ける。
そんな時に出逢った、ひとりの少女が彼にいう。
「お前の力を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!じっくりと作品世界に浸って読みたい
第二章「奪還」⑥まで拝読しました!
転生ものではありますが、死までの経緯が丁寧で分かりやすく、そして突然死の描写は驚くほど綿密でリアリティがあり、転生後の周囲への理解も赤ん坊の視点ながら無理なく描かれていると感じました。
情景描写も心情描写も丁寧で、特別凝った表現を使っているわけじゃないけれど、とても真っ直ぐに心に響く文章だと思いました!
「静」のシーンはとても穏やかで優しい空気を感じたし、「動」の戦闘シーンは迫力満点でした(* ゚Д゚)
世界観も美しく、農村や砂漠などの描写にも惹き込まれました。砂漠のキャラバンで星空の下で焚火とか……もう、好き!(* ゚Д゚)
母から教わった歌・弔い…続きを読む