私の家には〈あれ〉が居る。
明治維新で解体された某藩の家老の末裔、松埜《まつの》家。
この家には〈外の世界〉に決して知られてはならない、厳格な掟が定められた秘密がある。
後継ぎである本家の長女、華蘭は、その掟にガチガチに縛られながら高校生活を送っている。
決して漏らしても漏れてもいけない秘密、それは〈あれ〉の存在。
松埜家の奥深くに居る存在──
【おのろし様】
口外厳禁。
そして何より1番大事なこと、それは──
【おのろし様を怒らせてはいけない】