おのろし様という神を祀る松埜(まつの)家。十八歳を過ぎるまでその存在に関するあらゆることに触れることを禁じられている少女の物語。
ある事件をきっかけに彼女は自分の家が祀るおのろし様の秘密に迫るために調査を開始していく。
といった幕開けから事態は一気に進み息つく暇なく読者を謎の渦中に巻き込んでいく。
グルーブ感のある文章はするすると読者を引き込む力があると思います。
民俗学的な謎へのアプローチはミステリ要素が強く、禁忌を破ってでも真実を知りたい、という気持ちを揺さぶります。
最後に現れるであろう、おのろし様の姿とは如何に?
民俗学ホラーの醍醐味が詰まった作品だと思います。
ラストまで目が離せません。