雨上がりに橋が架かって願うのは、逃げ場所に選んだ幻想理想郷での思い出

紅恩寺吟也（くおんじ・ぎんや）が願うこと。その夢、野望。それは、一男子として生まれたものならば誰しもが思うものだった。その瞳に映る、全ての女の子たちの幸せ。それが、自分がきっかけならなお良し、なんて思っていたけれど。吟也はそれを堂々と口にできるほど強くはなかった。そのくせプライドばかり高く、小さな頃はよく苛められていて。それを幼馴染みの女の子に助けてもらっていた。吟也はそんな自分が許せなくて、強くなりたいと願い続けた。それがあまりにも真に迫っていたから……というわけではないのかもしれないが。吟也は異世界『ジャスポース』にある、同名の学園と言う所に通うこととなる。そこは、世界を救うための英雄……強きものを育てる場所。そこで吟也は友達百人作りたいなんてことを臆面もなく言ってのける、重い宿命背負い…続きを読む