概要
心に何かを残す物語を。
《本文抜粋》
少女は藁人形に右手を翳し瞳を閉じた。
後は祈るだけ。今はただ、それを成すことだけに集中すれば良い。
遺恨は断罪者の存在を許す。執行する。たとえ罪人が己の罪咎を忘れたとしても、厳として報いは訪れなくてはならない。
丸鏡を胸に、右手を釘にそっと触れさせ言の葉を継いだ。
「消せない罪を、あるべき処へ。受けるべき罰を、然るべき者へ。いま、呪怨は解き放たれる」
淡い恋を夢見る主人公は、高校に入学すると同時に美しい妖怪に出会う。 次々と周囲で起きる怪奇現象。英雄の再来であると勘違いされながら巻き込まれる主人公は、呪いの事件を追いながら「救いたい」と願い、過酷な運命に立ち向かう。 恋は叶うのか。悲劇は防げるのか。夏の終わりに少年が見たものは果たして!
少女は藁人形に右手を翳し瞳を閉じた。
後は祈るだけ。今はただ、それを成すことだけに集中すれば良い。
遺恨は断罪者の存在を許す。執行する。たとえ罪人が己の罪咎を忘れたとしても、厳として報いは訪れなくてはならない。
丸鏡を胸に、右手を釘にそっと触れさせ言の葉を継いだ。
「消せない罪を、あるべき処へ。受けるべき罰を、然るべき者へ。いま、呪怨は解き放たれる」
淡い恋を夢見る主人公は、高校に入学すると同時に美しい妖怪に出会う。 次々と周囲で起きる怪奇現象。英雄の再来であると勘違いされながら巻き込まれる主人公は、呪いの事件を追いながら「救いたい」と願い、過酷な運命に立ち向かう。 恋は叶うのか。悲劇は防げるのか。夏の終わりに少年が見たものは果たして!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!不思議な出会いから巻き起こる、一人の恋する少年の壮絶な戦い
『陰陽師』という言葉に惹かれて読み始めた本作。
陰陽師モノを求めていた当初の私にとっては異なるお話でしたが、気がつくと夢中になり読んでいました。
まず最初に言わせてください。とにかく日本語が美しい。
難しい言葉を特別使っているわけではないのですが、こんなにも美しい文章で表現できるのかと読むほどに圧倒されました。
難しい言葉でも字を見れば意味の分かるものばかりなのです。
主人公・蒼樹ハルが不思議な猫と出会ってから、次々と起こる怪奇事件に彼は翻弄されていきます。怖がりながらもハルは自分の身に構うことなく立ち向かい、果敢に戦っていきます。一つ一つ謎が解き明かされるごとに、ハルの心も成長していく…続きを読む