概要
「待って!? 学校の椅子ってこんな使い方するもんだったっけ!?」
「椅子は投げる物」と幼稚園時代から擦り込まれている子供たちがモンスターを倒せば、ドロップする黄色いコンテナには、お弁当から毛布まで必要な物が詰め込まれていて。
「何このシステム! 至れり尽くせりで気持ち悪っ!!」
担任教師は理不尽と不条理に今日も頭を悩ませる……。
新白梅小学校1年1組の児童34人と担任の茂木美佳子は、遠足の途中で気がついたら異世界にいた――。
襲い来るモンスター。密かに撃退実績のある子供たち。
「椅子があれば
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!貫いて、爆ぜて惑わせ、輝いて。
タイトルが長いので簡潔に一文で。
「クラスごと異世界に飛ばされた子供たち(と先生)が椅子を投げたり何やりして魔物を倒しまくり、世界を救う」話です。
レビュータイトルの動詞は全部椅子がします(椅子が「する」って何だよ……)。
つまり、椅子が貫通性能を持ち、爆発し、敵を撹乱、そして明かりにもなり、風呂やテント、トイレにもなり、冷蔵庫も作り(何故かクーラーは作れない)、回復性能を持つなどなど、椅子が万能すぎる世界線での物語です。
何だよそれ……と思った人。読んでみてください。普段使ってる椅子、こんなに可能性あったっけ……ってなりますから。
子供たちの自由な発想で椅子がどんどん変化して、ここ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!意思と椅子は道を切り拓く(比喩ではなく)
クラス丸ごと異世界移転、しかもそれが小学一年生!異世界で一クラス分の児童を引率する大人はなんとたった一人…!子供ってじっとしてなくない!?という不安はあったけど、子供達が個性的でありながら良い子揃い。しかも賢く、子供らしい発想力と行動力で、ピンチをどんどん切り抜けてくれる。
そして主人公であり、読者のツッコミの代弁者とも言える先生がサバサバしていて、ものすごくリアリスト。考えても仕方ない事は軽く放棄して、単純明快にばっさばっさと苦難を乗り越えていくという。それが軽軽で、暗くなりそうな要素も明るく描かれ、読んでいてとても「楽しい!」と純粋に思えました。
椅子に無限の可能性を持たせた物…続きを読む - ★★★ Excellent!!!君達はまだ椅子の持つ無限の可能性を知らない……
ご縁があり、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
本作は新白梅小学校1年1組の児童34人が、遠足中に指導教員の主人公である彼女と共に、何故か1クラスまるっと異世界に転移してしまったところから始まります。
異世界にやってきた彼らにモンスターが襲いかかる! ならば椅子で対抗だッ!
はい。至極真面目に言っております。何故なら彼らは元の世界で、「椅子で不審者を撃退した」実績のあるクラスだからです。だから異世界で椅子を召喚してモンスターを倒しても、何の不思議もありません。いいね?
初っ端からインパクトが群れをなして襲いかかってきますが、内容は結構現実的…続きを読む - ★★ Very Good!!小学一年生のリアルを描写した話。
異世界に転生して、椅子がいろいろ素晴らしいことになるお話です。
椅子の描写が奇怪で面白いです。
そしてそれを、嬉々として操る子供たちの描写が奇々怪界で本当におもしろいです。
ただ、あくまで主観の所感ですが、本当に面白いのは、小学一年生の子供を、リアルにスケッチしている情景です。本当にリアルだと思います。
ただ、これは本当にザンネンでならないのですが、多くの読者様には、このリアルが伝わらないのも事実なんだろうな。とも思います。
理由は、見も蓋もないのですが、おそらく読者様のほとんどが、同じ年頃のお子さんをお持ちでないからです。
ですので、
「小学一年生ってこんなものだよね?」
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただ、ほのぼのしているだけではなく、メッセージ性の強い作品
【物語は】
不思議な世界観。ある戦闘風景から始まっていく。勝利で得られたのはお弁当。ここで、多様性について描かれているのが印象的。そしてここでは、多様性は当たり前であること、適材適所、助け合いと、人間の基本的なことについて語られていく。
これは自分も常々感じていることである。平等とは何かということ。戦える者が戦い、戦えないものは見ているだけ。そう思えるかもしれないが、飲み物に例えるならば、平等だからと言って全員に珈琲を配る。好きな人にとっては”嬉しい”嫌いな人にとっては”困る”ということが起きるのは想像に難くない。すなわち平等とは、同じものを渡すという事ではないのだ。
一話では、主人公である…続きを読む