残酷な描写とかなく安心して読む事ができ、時にはホロッとしたら時には大笑いできる作品です。
実はこの作品は電子版のコミックスの試し読みが最初で、そこから気になり初めは1巻だけ購入してみて面白くて続きが見たくて気がついたら現在発売している5巻まで全て購入して読み、それだけでは飽き足らずカクヨムに連載している事を突き止め、今度は文章でまた第1話から読み始め、最新話まで読みましたが、是非是非、続きが読みたい!
ただそれだけです。
このレビューを読んだ方、この作品を読んで損はありません。それどころかあなたの人生を豊かにする作品だと太鼓判を押します!
是非とも読んでみてください。
最近のネット小説の流行りで無駄に他人を陥れたり、無能の振りをする有能を騙る無能が溢れていて、読んでいるこちらまでゴミだと錯覚してしまう作品が多いと感じているが、この作品は主人公はチートなどなくとも素の考え方が有能な人のそれだし、性格がコロコロ変わることも無く安心して読めます。
ただ1つ惜しむらくは、更新頻度がびっくりするくらい遅いです。
最初の方は更新も多くて楽しかったのですが最近はさっぱりでTwitterも消えてるのでエタったのかも知れません。
それでも、単話で読んでも面白いので現在公開されているところまで読むことをオススメします。
ファンタジー特有、というよりも中世の貧しい世界に生まれた主人公のサクセスストーリー。
主人公はチート持ちだが、回復特化で無双など夢のまた夢。
また、金持ちの商家の三男坊だが、金持ちでも貴族には逆立ちしても勝てない世界。
また三男坊だけに跡継ぎではないため、放蕩しては身を持ち崩すという勝ち組だが、無双には程遠い少々世知辛い立場。
しかし、元現代人の社畜経験を活かして生きていく。
主人公は現代人の感性が残っているために「奴隷たちをコキ使う」人材派遣業を営むが、中世の奴隷の使い方からしてみれば超良心的。
また、主人公の回復チートで死にかけた奴隷を買って治して「コキ使う」ため、救われた側からすると慈悲に満ち溢れた、ヌケてるご主人様として愛される。
さらに現代人の社畜視点の経験があるものの、「コキ使う」けれども福利厚生にも力を入れて、なおさら奴隷から見ると神のようなもの。
そういう少々すれ違いつつも、WIN-WINで周囲も含めて幸せになる主人公のサワディ。
社畜経験があるため、ちょっと小ズルい、打算的な子供だが、そこもまた愛嬌。
作者様の言うように「ゆるふわ」で「ちょっとアクセント」があるファンタジー日常が見たい方にオススメ。
普通の大人が幸せな気持ちを感じることができる小説です。
「転生」もので起業家のサクセスストーリです。
平民として家族と周囲の人間と関わり合いながら生まれ育ち
恩と義理と社会のルールの間で、勉強し仕事し結婚し子供が生まれ
可愛くて怖い奥さんと一緒に子供の顔を覗き込みます。
自分の次世代に顔つなぎしと、愛情を言葉ではなく行動で感じさせます。
妬み嫉み恨みがあると周り巡って破綻するとか
そんな思想で周囲に還元しまくりますがそれが生々しい。
身勝手に一人で出生地を離れて旅だったりしません。
実力主義の成功者として何処かの組織に突撃もありません。
そんな破綻していない社会性が普通の大人には受け入れやすいと思います。
ただちょっと貴族がちょっと違う論理で生きる大怪獣みたいなものだったり
主人公がなんかできちゃった的な発明チートがあったりしますが、
そのへんがファンタジーってところです。
この物語を見つけて3日でここまで読んで、久しぶりの良き話かな。
数多きネットに展開される物語を読んだが、読み続けられる物語は少ない。
共感を寄せられる主人公、魅力のあるヒロイン(ここまでは少し物足りないが、多分これからだなの伏線有)、個性的な取り巻き達、たまに出てくる重い過去を持つ者等、今後の展開に期待。
と、ここまで書いたが、追加する。
気に入っているのは79話みたいな話だ。
食い意地が張っている奴が、おでんと言う奴を出す屋台を探して仲間と街をさまよう話だ。
そいつは言う、この前にちょっとの間だけ出ていた「アメリカンドック」も食べ損ねた、甘いソーセージって何だよ??、どんな味なんだよ???、食ってみたいよな。
彼は仲間と寒い粉雪の降る街を、今日もおでんを出す屋台探す。
そんな話だ。
ハハハハハ、そうだよね、甘いソーセージな、食ってみなけりゃ解らないよね、食べたいよねと私は彼に共感を覚える。
ああ、明日はおでんを食べよう、悪いな俺はおでんが何時でも食える世界に生きているんだ(W)。
『ALWAYS 三丁目の夕日』という映画をご存じですか?
漫画を原作とした同作は「高齢世代が懐かしみつつ思い出せる子供だった頃の明るくも猥雑だった時代の物語」が描かれています。
ただ、当時はもっと不潔だったとか、今とはくらべものにならないくらい暴力や非道が横行していたとか、「現実と違う」という批判も集めました。
しかし、ノスタルジックな雰囲気や電子機器を介さない人間関係、情報格差・教育格差から生じる人々の滑稽な振る舞いなど、現代を舞台にしては描くことができない「どこか別の場所の物語」を感じさせてくれる作品として、最終的に多くの支持を得たことは、少し調べればわかると思います。
『異世界で 上前はねて 生きていく (詠み人知らず)』は、どこかコレと似た空気をただよわせている作品です。
ファンタジー世界です。魔法があります。魔物がいます。貴族がいます。奴隷もいます。冒険者もいますし迷宮もあります。
そんな世界に「豪商の三男だが特権階級ではない」「貴族ではないが魔法が使える」「魔法の天才だが男性魔法使いの評価基準である攻撃魔法の才だけは皆無」という境界的存在として生まれた主人公は、前世で社畜だった記憶を持つがゆえに、題名通り「上前をはねて生きていく」ため、治療した傷病奴隷を労働力として事業(?)を展開しつつ、自らも非攻撃魔法の分野で成果を出していきます。
背景をみれば貧困や戦争など、社会の闇が垣間見えます。しかし、装飾を取り除いた簡素な一人称で描かれることにより、今を生きる、たくましい人々の前向きな姿が強く浮き出ているのが本作の大きな特徴です。
ありふれた転生モノと違い、主人公は前世への思いを完全に切り捨てられていません。奴隷たちも過去を忘れていません。それでも彼らは生きていく。さらりと描かれた『同じ顔』のソルメトラのその後こそが、本作を象徴していると思うは、私だけでしょうか?