(自薦) なんにも決めずに何故か終われた小説
弁明から始まる日記というのはどうなのだろう。
こうなってしまったのには理由がある。
読み終わった小説が40本程度あって、紹介したい作者は30人くらいいる。
誰から行こうか。
記念すべき一人目だ。
失礼な文章ではいけない。
どうしよう、誰にしようか。
気心知れた人の方が良かろう。
しかし当然、会ったことなど無い。
あかんわこれ、ぜんっぜん決まらへん。
と、自分勝手な重圧に自滅し、日記の一篇目から、自作を晒す格好となった。
『リリリリ-Re:Re:Re:Re:-』祖父江直人
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883338299
〇作品概要
これは、命を巡る物語。
ナゴヤのストリートミュージシャン、サブは、ある日、二人の“死なない少女”と出会う。
その日からサブは、腐敗した街で、ヤクザ、警察、政治家、新興宗教の教祖、街の監視員、マンホールチルドレン、地下の王たちが絡み合った事件に巻き込まれていく。
※※
〇頂いたレビュー
『温故知新のハードボイルド』
淡泊で乾いた文面が、主人公の感情のなさを上手に感じさせる。
それでいて清廉潔白な性格が好印象。
ヤクザの世界から政治家につながるスケール感が、ドラマ性に深みがあると予想できる。
本文の体裁や配置が、横書きのweb向きでないのが惜しいところか。
いや、まぁハードボイルド小説に改行を多くしても、ダサいのかもしれないが。
野々乃 https://kakuyomu.jp/users/no-no-no氏より
※※
〇思ったこと
変なタイトルだ。
何やら意味深長な考えがあってのことではない。
「とにかく変なタイトルをつけよう」と思って適当に付けた。
作品の後半で、ドヤァとばかりにタイトルが回収されているが、書いてた本人が一番驚いたつじつま合わせもいいところである。
プロット? ねぇよんなもん、である。
思い出しても、どうしてそれっぽく話を畳んで完結させられたのか分からない。
主人公は、皮肉屋で、気に入らない相手には突っかからずにはいられない、ひねくれ曲がったストリートミュージシャンの青年サブ。
そんなサブが、何者かに追われるヒロインと出会い、ヤクザ・警察・怪しげな新興宗教団体・地下組織などの間に立ち、ギリギリの駆け引きと丁々発止を演じる。
この部分は、昔なつかしい木曜洋画劇場の気分で台詞を考えていた。
突然カーチェイスが始まり、最後には敵のアジトがドンパチ賑やかに。
サブも、おっかなびっくり銃をぶっ放し、逆に撃たれて重傷を負ったりする。
この辺も、お約束である。「はいはい、それね」と思いながら読んでいただけると思う。なんだかんだ、こじんまりとまとまらないのは、祖父江の外連味であると自負している。
愛好していた日本の軽ハードボイルド小説や、海外のB級アクション映画の要素を、ちょいちょいとつまみ食いしてできた物語。
なので、基本的には楽しんで書いていたと思う。
連載していた当時は、まだ縦読みの機能が実装される前だったので、読んでくださった方には多少不便をかけたかもしれない。
未だWeb小説を書き慣れていない頃の(無論、今でも試行錯誤は続いている)小説である。
サブと共に「なんてこった」と思いながら読んでくだされば嬉しい。
2020.4/6 記
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