こうして祖父江はキャラ紹介レビューに舵を切った

 何事も、ターニングポイントというのがある。


 今回は、祖父江のレビューが、何故いちいち妙に長く、そして、登場人物の紹介に字数を割くようになったのか、そのきっかけとなった作品である。



『皇女と候補生と航宙軍艦 カシハラ号』 作・もってぃ(敬称略)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888593146


〇作品概要

宇宙歴479年6月6日──

帝国宇宙軍の装甲艦が、突如としてシング=ポラス星系の自由都市テルマセクを制圧した。


航宙軍士官学校次席の士官候補生准尉タカユキ・ツナミは、練習艦カシハラ乗組みの実習幹部としてテルマセクを訪問中、この異常事態に遭遇する。

混乱の最中に艦長以下の幹部士官と正規クルーを失った練習巡航艦カシハラは、候補生だけで艦を発進させ帝国軍の包囲からの突破を図ることとなった。


〇祖父江のレビュー


Title:当方の応援コメントは半分がガブリロさんへのエールです。


(前略)

 まず、とっても登場人物が多い上に、銀河系レベルで複雑な政治情勢が絡み合っていて、さらになかなか見慣れない軍事用語やSF用語がたくさん出る文章を読むコツとして「とりあえずざっと読んでいく」というものがあります。なんとなく最後の更新分まで読んでしまって、あとからゆっくり読み返してみる。すると、内容がよく理解できます。


 次に、キャラで読んでみます。


タカユキ・ツナミ―――

 ある日突然、練習生から艦長になってしまった次席候補生。直情径行なので、優秀さと未熟さが分かりやすい主人公格。軍人らしく、ほかの乗員を「貴様」とか呼んじゃう。艦にはコトミという幼馴染の同級生が乗っている良いご身分の22歳。


ユウ・ミシマ―――

 主席候補生。だけど艦長ではない。名家の跡取りで、タカユキと比べると余裕があって腹芸もこなせる。こいつが下船中にお姫様を拾ってきたせいで大変なことになる。個人的裏主人公。あと多分ツンデレの22歳。そして思った以上に曇りキャラだった。彼が曇ると物語が進む。


(中略)


ガブリロ・ブラム―――

 ガブリロさん。レビュー主の一押しキャラ。すごく有能そうな出方をしながら、あとは状況に流されるばかりの、革命を夢見る大学生。アマハと同い年の26歳なのに、やることなすこといちいち締まらない。作者がそれを意図して書いたかどうかは別として、すっかりこの人が出る度に微笑みが漏れるようになってしまった。作中、彼が出て来たら「ガブリロさんパン買って来いよ」と暖かいエールを送ってあげて欲しい。いよいよ名前が出るだけで面白くなってきた。


(中略)


※完結追記

 無重力と青春の叛逆大航海。謀略に巻き込まれ、海賊とも出会い、愛する者と恋をし、永遠の離別さえも経験する。


 最後は帝国王立軍と自分たちの師が乗った航宙軍を相手取り、一手間違えば即詰みの手に汗握る艦隊戦。


 壮大で長大な歴史の一エピソードを切り取った七週間の宇宙航海。少年たちは成長し、世界はほんの少し変わる。エピローグはささやかな読者へのプレゼントでしょうか。書き切った作者に最大級の賛辞を送りたいです。お疲れさまでした。


 あと、ガブリロさんは誰が何と言おうと英雄です。


全部読みたいという奇特な方は以下略

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888593146/reviews/1177354054889394362


〇作者について


 90年代のライトノベル、SFに親しんだ世代とプロフィールに書かれているように、小説が持つ重厚さの中に漫画的な軽妙さを醸し出す、古き良き時代のジュブナイルノベルの雰囲気を感じる。


 本作は、ひょんなことから一国の王女を連れた練習艦の練習生たちが、各国の謀略と追跡をかいくぐりながら、艦隊戦、政治劇、恋と青春を謳歌する内容となっている。


 レビューで省略した部分に書いたが、祖父江はあまりそうした分野の本を読んだことがない。


 さりとて、せっかくの縁だしちゃんと最後まで読もうと思ったときに、レビュー内で激推しするガブリロさんに出会ったわけだ。


 本人は真面目なつもりなのだろうが、言動がいちいち天然で笑えることを発見し、これは是非レビューにガッツリと書き込もう。


 ならば、主人公たちのことも独断と偏見で紹介してみよう。


 お、なんだか書きやすいぞ。


 よし、これからレビューを書く時はキャラを重視して書いていこう。


 と、そういうことになったのである。


 しかし、それも、もってぃ氏が魅力的なキャラたちが織りなす艦船SF群像劇を描いてくれなければなかったものだ。


 深く感謝申し上げる。そして、現在執筆中の、これもまた重厚で濃密な戦記小説の完結を心よりお待ち申し上げる。


『A blue-eyed daisy swaying in the wind』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892407619


 

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