白い円盤

 小学校低学年のとき。

 夏休み中。故郷の地元の街では、夜に「白い変なものが空を飛んでいる」というような未確認飛行物体UFOの目撃談が出ていた。

 そして、わたしの通う小学校の校庭で盆踊りが行われた頃の夜。わたしと家族もそれを目撃することになった。


 当時住んでいた家の窓から、北に広がる田園の上空に、白い円盤状の光が空で大きな円を描いて飛んでいるのを発見したのである。


 記憶にある円盤はだいたい十数メートルくらいの直径だろうか、縦の大きさは全体が白くてよくわからなかった。それが飛行経路とする円の大きさは、百数十メートルくらいはあったと思う。

 しばらく家族と眺めていたが、それは変わらず飛び続けていた。もう夜だったのでやがてみな眠りに就いてしまい、目覚めた朝にはUFOが消えていた。


 そんな光を発するものが付近にあったという話は聞いたことがない。以後、同じものが目撃されたことも、見たという噂も耳朶に触れなかったので、あれはいわゆる超常現象的なUFOだったのではないかと思っている。

 当時はまだ携帯電話も一般的でなくカメラもあまり使うことがなかったので、写真などの記録がないのは残念だが、複数人で目撃したので信憑性の高い現象だったのではないだろうか。


 ちなみにUFO=空飛ぶ円盤というイメージは有名なマスコミの誤報に基づく誤解なのだが、その後に円盤型の目撃例が増加したことでも知られる。そしてわたしが見たものも円盤型だった。

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