いなくなった少年
2013年2月か3月頃、土曜か日曜。
震災後福島に戻ったわたしが外出中の家族を車で迎えに行ったとき、街中の大通りの歩道にその家族を発見。乗せるため路肩に駐車した。
このとき、家族のすぐ後方を青いジャンパーを羽織った黒っぽい服の小学校低学年くらいの少年が家族と同じ方向に歩いているのを、ほぼ正面から確認した。
車体が停まり家族が乗車する間も少年は歩き続け、やや手前にあった電柱の陰に隠れる形になった。
ところが、その後ろからいつまでも出てこない。
家族が完全に乗ったので車を発進させ、気になって電柱の後背を確認したのだが、そこにはもう誰もいなかった。
これまでも書いてきた幽霊のようなものとの遭遇談だろうが、わたしがこういうものを見るときは視界の端に現れることが多く、正面から見るのは珍しい。前から見続けた時間も、覚えている限り最長だった。五秒くらいは見ていたと思う。
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