猿夢?
通称『猿夢』という怖い話をご存知だろうか。それをわたしも見たことがある。もちろんというべきか、元の話をネットで見た後なので単にその影響かもしれないが。
元の話は気になる場合ネットを検索すると出てくると思うのでそちらを参照していただくとして、ざっと紹介すると、夢を夢と自覚しある程度自由に操れる明晰夢を見れる人がネット上に投稿した体験談が由来。
内容は、投稿者が見た夢の中で猿の人形のようなものが運転する遊園地のアトラクション的な電車に乗っていると、残虐な行為を示すアナウンスが流れ、乗客がその内容に従って次々に惨殺されていくというもの。
投稿者は自分も殺される寸前に意識的に目覚めるが、数年後にまた同じ夢を見て自分が殺される直前から始まる。それもまた逃れるも、目覚めたはずの現実で「また逃げるんですか? 次が最期ですよ」というようなアナウンスの警告をされるという話。
これを受けて夢の中で残虐な方法で殺された人は現実では心臓発作か何かの突然死とでもされているのではないかと思ったというようなものである。
そんな投稿者の推測もあって、この夢が実在しておりなかなか明晰夢を見れる人などいないので、大抵の人はこの夢の中で殺されて現実でも死んでいるが故にこんな夢があるなどと警告できたのは投稿者くらいのものだったのではないかという考えも成り立つためか、都市伝説的に比較的有名になったのだろう。
さて、わたしの体験だが例によってこの話を知ってから何年か経った2010年代前半のある夜。
まさに、暗い洞窟のような中を走る猿の人形のようなものが運転する遊園地のアトラクション的な電車に乗っている夢を見た。
わたしは、「あ、これ猿夢じゃない?」とすぐに思った。
思ったが最後。なにせわたしは明晰夢なんてめったに見ないので、夢だと思った途端に目が覚めてしまった。
その間一秒程度。アナウンスなど欠片も何も聞こえる暇もなかった。
思えば夢だと気づくと大抵目が覚めてしまう人にとってはこんなものなのかもしれない。
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