3
これは……、最後の映像かもしれない……。
模擬試験が返却され、その結果に私は愕然としている。恐ろしいほど最悪な点数で、希望する大学もA判定からC判定に落ちていた。おそらく、高3になってみんなは本気モードに入ったのだろう。
親にもまだ見せていない。もう、がっかりされたくないし、悲しむ顔は見たくない……。
間もなく、面談が始まるからいずれは知られてしまうのに……。
両親は名が知れている大学を卒業しているから、当然それを超えると思われている。
“こんなに頑張ってきたのに、どうして……”
期待に応えたかった。苦しみの涙を流しながら、必死に努力してきた。
でも……、
もう、疲れた……。
人と争うことに疲れた……。
人の顔色を気にすることに疲れた……。
もう、頑張れない……。
生きる力なんて、どこにも残っていない。
私が、悪いの?
私が、間違ってるの?
もう、どうでもいい!
こんな人生……、早く終わりにしたい!
消えたい……。
この世界から消えてしまいたい。
苦しいことしかないこんな世界に、なんの未練もない。
幸せになれない、こんな情けない私は、もう終わりにしたい。
きっと、私が居なくなっても何も変わらない……。
変わらずに、この世界は動いていくのだろう。
ずっと、死にたかった。
早く、楽になりたかった。
楽しいことも、嬉しいことも、何一つない毎日。
もう、うんざりだ!!
とにかく、消えたい。
とにかく、死にたい!
それなのに……、
どうして消えないの?
私を包むこの光は……、電車のライト?
まっ、眩し……。
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