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「あんたさぁ、女子高生だったでしょ?」
知りたい(自殺の真相)という欲求が抑えられなくなってきたので、とりあえず話を変えてみた。
「あっ、はい。清蘭高校三年の
「清蘭? ちょーレベル高いじゃん! 将来の道は開けてるっていうのに、なんでまた飛び込み……、あー、心の声、気にしないで!」
元女子高生が、クスッと笑った。笑うと、おとなしめのアイドルグループに居そうな可愛らしい子だ。名前は、世奈っていうんだぁ。
とにかく今は、この子から何か情報を得るしかない。
「ねぇ、世奈! この状況って一体なんなんだろう? 世奈は死んだのかもしれないけど、私はホームに立ってただけなんだよ」
深刻に話し始めると、世奈は入ってきた扉を気にしながら座り直した。私をしっかりと見つめ、小声で話し始める。
「正直、私は元の世界から消えたいと思ってた人間なので、ここがどこでもいいって思ってました。最初は天国かなと思ったんですけど、なんとなく昔の中国とか韓国とか……、どこかアジア系の国かなって思ってます」
「やっぱり⁉︎ 私も韓国時代劇の世界に似てる気がしてた!」
「不思議と会話は通じるみたいなんですけど、書物は漢字のみで読み方も違うみたいです。お祈りを唱える時も口パクでやってました」
ウケる! 私と同じように、この世界に合わせようとしてたんだ。
「そうそう! 私も、サインしろみたいなこと言われたから余菜って書いてみたの、ヨナって呼ばれるから。そしたらチヌが医者呼んだりしてもう大変だった」
ここに来てからの出来事を、そのまま伝えられることに爽快感を感じていた。久しぶりに同じ種類の人間に会ったような気がして、とても嬉しい!
「あの、第3夫人は学生さんだったんですか?」
第3夫人? そっか、世奈は、この世界の私しか知らないんだ……。
「その第3夫人っていうのやめてくれる? だいたい3番目とか、バカにし過ぎだから」
世奈が、また笑っている。
「私は
「そうでしたかぁ……。あの、美咲さん、本当にご迷惑お掛けしてすみませんでした」
「いやっ、ここで謝られても……。なんか変でしょ!」
深々と頭を下げる世奈。きっと、現実が分からなくなるほど、追い詰められていたのだろう。さんざん色々言ってしまったけれど、今、この子を責めても仕方ない。
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