第25話 僕の親友がどうして……。
翌朝、立花さんと藤咲さんの事が気になってよく眠る事ができなかった。
というか、全く眠れないまま朝を迎える。
藤咲さん、立花さん、藤咲さん、立花さん。考えれば考えるほど、その2人の悲しげな表情がぐるぐる追いかけっこをしている様に僕の頭に思い浮かぶのだ。
くそーっ!
藤咲さんの事は気にしてもそれはもうどうしようもないのかもしれない……。それよりも今は立花さんの事だと思う。この問題を先に何とかしないと。
確か、この前早く登校した時に、藤咲さんと一緒に立花さんも早く学校に来ていたから、もしかしたらだけど、いつも立花さんは早目に登校しているのかもしれない。
でも、藤咲さんも早く来たりして……いや、あの時とは違いそれはないか。それ以前に、もしかしたら、もう学校に来ない可能性だってある。
あ〜、もう!
なんで藤咲さんのことばかり出てくるんだよ!!
よし! とりあえず学校に行こう!
体を動かせば色々考えなくてすむはず。それに、謝るなら他の生徒逹がいない方が絶対にいい。
僕はすぐに準備をして家を出た。
健に昨日の事を話したいと思うけど、さすがにこんな早い時間から健に会う事は無理か……。
多分、登校してくる生徒も部活動の朝練の生徒逹ぐらいだろうから、教室にはまだ誰もいないだろうと僕はそう思っていた。
のはずだったのだが……。
教室まで来ると、中から声が聞こえてくる。
えっ、嘘! まだ、一時間以上も前なんですけど! 誰もいないと思っていたのに……。
それも二人いるようだった。どうやら男子と女子のようだ。楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
ちょ、ちょっと待って! この声……。
僕のよく知っている人物の声。
僕は震える手で、そっと教室の扉を開けていく。
教室の中央で寄り添い楽しそうに話している二人がいる。僕はその二人を見て、あまりの衝撃に頭の中が真っ白になる。
えっ! はっ……う、嘘?! ど、どうして二人が?
心臓の鼓動がドクンドクンと、音をたてて鳴っているのが聞こえてくる。踏ん張っていないと足が崩れてしまいそうだった。
二人は僕に気付かず、楽しそうに話をしている。
何で、何でだよ!
教室で寄り添っていた二人は、健と立花さんだった。
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