06,“私”とのデート? 1と2
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ターニィの宣言によって大まかな話し合いは終わり解散の流れとなった。
精神的な何かをゴッソリと持っていかれたような感覚は肩に重荷を乗せているような辛さがあった。
俺はその感覚をその身に感じつつ、ふと浮かんだ疑問をターニィにぶつけた。
「四日ってことはもう一回お前と、つまりオリジナルとまたデートするんだよな。だとしたら今日のデートは何のためのデートだったんだ?」
そう聞いてみると、ターニィの動きが止まった。
俺はその行動に疑問を覚える。
「どうした?」
そう聞いた時、ターニィの顔はどこか暗いように感じられた。
「今日のは予行練習と、貴方がどれくらい女の子の買い物に付き合えるかのテストをしたのよ。だから本番は明日からよ。」
ターニィは指を突き出しつつ言ってコップに入った麦茶を飲み干し、コップを持って台所に向かう。
その姿を視線で追っていると、インターフォンのチャイムが鳴る。
「ん? 誰だ?」
インターフォンを除くと宅配便であることが分かった。
時計を見ると夜の7時半だ。
少なくとも俺がこんな時間に宅配を頼むことは無い。だとすると。
「ターニィ。何か宅配を頼んだか?」
「ええ、服を。」
ターニィは台所から駆けつけて応答した。
その顔色は暗い影は見られない。
「服? 今日買ったのは?」
「今日のは“私”用よ。」
「私用? ああ、そうか」
ターニィのオリジナルに当たる体は成長や老化も普通にするから今日の買い物があったのか。
ならば、今届いたものは、他の体のものか。
俺が考えをまとめている横でターニィがインターフォンで応答し、玄関へ向かっていくのを見て俺はついて行く。
宅配便がおいていったものはダンボール2箱。それも男の俺が両手で抱えるほどの大きさのダンボールが2箱だ。
それを俺が一人でターニィの部屋まで運ぶことになった。
今日の買い物と話し合いで消耗していた俺は、ダンボールを運び終わるとゾンビのように浴室へと向かった。
その夜、疲れ切っていたせいか、お蔭なのか、何の妨げもなく俺は眠りについた。
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