豪結ー5
ピンポーン、と部屋に来客を報せるチャイムの音が響いた。
この部屋の主である、獅童幸徒と一緒に暮らしている竜人のクラエスは、『たぶん宅配だろう』と棚から判子を取り出して玄関へ向かった。
普段昼食は、幸徒が朝食を作るついでに作った物を昼食に作るか、クラエスが朝食を作る当番であれば後で作って学校まで直接持っていたりしている。
しかし、今日のお昼は昨日の鍋の残りを使い如月が作った雑炊をクラエスは食べた。幸徒もその雑炊をタッパーに入れた物を持って行ったので、今日は夕食までやることが無く、ぼけっ、とテレビを観ていた。
そんな時に来たちょっとした変化――来客があったので、クラエスは足取り軽く電話まで駆けていく。
「はい」
受話器を取ると、モニターに外の映像――来客の姿が映し出される。
そこには見知った人が、毛糸で作られた袋を掲げて映っていた。
「あぁ、ちょっと待っていてくれ」
クラエスは、持っていた判子を棚に置いてから、チェーンを外し、鍵を開けて玄関を開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます