豪結ー5

 ピンポーン、と部屋に来客を報せるチャイムの音が響いた。

 この部屋の主である、獅童幸徒と一緒に暮らしている竜人のクラエスは、『たぶん宅配だろう』と棚から判子を取り出して玄関へ向かった。

 普段昼食は、幸徒が朝食を作るついでに作った物を昼食に作るか、クラエスが朝食を作る当番であれば後で作って学校まで直接持っていたりしている。

 しかし、今日のお昼は昨日の鍋の残りを使い如月が作った雑炊をクラエスは食べた。幸徒もその雑炊をタッパーに入れた物を持って行ったので、今日は夕食までやることが無く、ぼけっ、とテレビを観ていた。

 そんな時に来たちょっとした変化――来客があったので、クラエスは足取り軽く電話まで駆けていく。

「はい」

 受話器を取ると、モニターに外の映像――来客の姿が映し出される。

 そこには見知った人が、毛糸で作られた袋を掲げて映っていた。

「あぁ、ちょっと待っていてくれ」

 クラエスは、持っていた判子を棚に置いてから、チェーンを外し、鍵を開けて玄関を開けた。

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