概要
ぜんたい、どこから間違ったのだ、おれたちは。
19世紀フランス。貧しい郵便配達人リュシアンは、ある日街はずれの屋敷に住まう青年アデルと知り合った。身分こそ違えど、互いの生きづらさを知り惹かれあう二人。やがて共に店を構え、豊かな暮らしを夢見るも、時代と彼らの生きてきた世界の断絶はそれを許すはずもなく……。
時代に翻弄された哀れなふたり《レ・ミゼラブル》の物語。
時代に翻弄された哀れなふたり《レ・ミゼラブル》の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大河の中に埋もれた、ちっぽけで愛すべき哀れなふたりの物語。
フランス文学やミュージカルに明るい方なら、この物語が「レ・ミゼラブル」をオマージュした作品であるとすぐにお気づきになるでしょう。
ただし、本作の主役は囚人から市長へ、そしてまたお尋ね者と数奇な人生を送る男や、学生運動に参加しながら淡い恋を抱く青年、自分の中の正義を曲げられず執念深く因縁の敵を追う警部といったドラマチックな人々ではありません。職場のいじめに耐えながら働く女工、波止場で水夫を迎え入れる娼婦、雨の日も極寒の日も日銭のために駆け回る郵便配達夫など、実にありふれた背景を持つ“市民”達です。
ジャン・バルジャンは運命に翻弄され、時代の波に飲まれかけながらも最期は幸福を得ることができました…続きを読む