概要
星の王子様の物語ですが、例のアレとは全く違います。
虚数空間の利用法を発見したことにより、人類の居住範囲が銀河系内まで拡大した未来。立憲君主制を採用する単独恒星国家で、国王急病中の代行者としてアルバート王子が指名された。その取材のために共同通信社からフローラが派遣される。港の人足を束ねる亜呂蔵親方は、縄張りが重なる伊江賀親分との確執に頭を悩ませており、お芳はそんな亜呂蔵の身が心配でならない。時間厳守で有名なL&L大学のハリソン教授は、ある日急に予定を変更した。無関係に進行する個々の事象が一本に交わる時、関係者全員の運命を飲み込む「状況」が開始される。治安維持軍の圧倒的な武力に小国は対抗し切れるのか? 救援要請は届くのか?――というナレーションを、渋い男性の声で脳内再生してからお読み下さい。
*物語はここでちょうど折り返し地点となりますので、「前編完了」と致します。
*物語はここでちょうど折り返し地点となりますので、「前編完了」と致します。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ハートフルに見せかけたハードなSF
作品紹介の渋い声の下りでもうちょっと笑っていましたが、実際作品を読んでみると別の意味でものすごく面白い。ライトな読み心地にみせかけてハードなSFというのはSF好きならすぐ挑戦したがるものですが大抵はライトな語り口で役にも立たない科学知識の羅列ができあがります(自分のことかぁ?)。対してこれは一話を読むだけで作品への十分なこだわりが感じられます。作品の冒頭に著者の注釈が入るのですが、そこからしてユーモアたっぷり。虚数空間のアイディアは読み手の知的好奇心を煽りますし、どの登場人物の語り口もウィットに富んでいて下品な大笑いとは違うしっかりとした面白さを感じさせてくれます。とにかく、2、3話まで読ん…続きを読む