崩紫サロメ

城が包囲された。城主ハサンは討ち死に。ハサンの娘のザイナブが兵士たちを鼓舞し籠城戦を乗り切ろうとしているが、このままでは城は落ちるだろう。 ザイナブは状況の打開のため皇帝に援軍を…

地味だけれど心優しい姉と、野心家な美しい妹の入れ替わり人生の物語。 螢月は炭焼きと薬作りを生業にする両親と、近隣一番の美少女と名高い妹との四人家族で、静かな村で穏やかに暮らし…

滅亡寸前な国の王女と騎士が最後の晩餐を食べるお話です。 ※美味しい話＆恋の話 短編小説コンテスト受賞作品。富士見L文庫様から発売中のアンソロジー『飯テロ 真夜中に読めない20人…

　彩桜高校に通う沙月エリカは、幼い頃から幾度も火事に見舞われ、家族や友人を亡くしていた。 　たった一人生き残ったエリカは、放火魔の疑いを掛けられ日々を過ごしていたが、担任の如月正…

柳川麻衣様主宰の百合詞華集「きみとダンスを」に掲載していただいた掌編です。 式子内親王の和歌にインスパイアされた、夢使いの出てくるお話しです。

「恵みの雨だよ」 　出かけられない恨みの雨のことを貴方はそう言った。 　あの日から雨の日が好きになった。 　貴方に会えなくなった今も雨が降ると嬉しい。 　貴方が…… 　逢…

女は恋をした。全てを捧げてもいいと思った運命の人と。 しかし、運命の人との恋は壊れてしまった。 見えていた景色が何もかも、違う物になっていた。 女は気づき、そして自分を恥じ…

✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ 地味目な同級生の女子が、俺の使っている小説投稿サイト『カクヨム』にアカウントを持っていると知ったのは入学してすぐのこと。…

「ご飯の時にご飯を食べなさい」 お母さんはそういうけど、うちはお父さんがご飯の時にご飯を食べない。 何してるかって？ ずっと語ってるの。 きっかり800字×３話という縛りで書き…

【2021年8月】　皆様のコメント大変参考になりました。公開から3年程が経過していますが、この度読者の皆様からの要望を踏まえて加筆修正を致しました。以前お読みになられた方も再びご…

「そういえば、さっき、今年の分が届いたのよ」 　二本分のガラス瓶。その中に詰められた、七色に輝く液体。 「リュカの分と一緒にここに置いておくから、今日の内に飲んでおいてね」 …

中学二年の年度末、幼馴染が親友に告白した。二人は付き合い始め、仲を深めてゆく。 けれど、僕は知っていた。桜より早く咲き、春を告げる清純な花の実には、毒があることを。 （一万字強、…

ボーイズラブ小説です。二話完結の短編。少々の性描写を含みます。 高校生の駿は同じ水泳部員であり友人である宗佑から告白されるが、彼を恋愛対象と見ることはできず断った……けれど。 ど…

瀬田の里に住む、瑠璃姫（るりひめ）は高貴な生まれの姫君だが、 都から遠く離れているせいで、年頃になっても公達（貴族の男性）が通ってこない。 乳母の湖都夜（ことよ）の夢は、姫君を殿…

自転車事故で利き手の右手首を骨折してしまった女子大生の史桜（しお）は、居合わせた親子の家に期間限定で同居させてもらうことになった。 同居相手は三十歳のイケメンやもめ昂輝（こうき…

どんなに手を伸ばしても、絶対に届くはずがない人に恋をした。 桜が丘高校二年生の、一ノ瀬　光先輩はどこまでもマイペースで、天然気味で、少し不思議。あたし、早坂　日菜の所属している…

２０１２年の夏、僕は狂ってしまった。病名は躁鬱病。周りの人を巻き込み、僕は激躁になり、夜の道を大木の枝を背負って走った。 この物語に救いはありません。あるのは残念ながら絶望感です。

至極どうでもいい、私が小説(読書)と巡りあった話をしよう。 ※ブログにて昔、書いたものを転載しました。

山の中にひっそりと建つ旧家に出入りする庭師の弟子・利吉は、その屋敷に住む美しい娘・聡子に密かな想いを寄せていた。 聡子の縁談が決まり、顔を合わせるのも最後になろうかというある日、…

中世鎌倉の築港、和賀江島に近い桐ヶ谷に住む美しい娘の八重には、恋焦がれている人がいる。

人種差別のある国、ハベルト。かつてハベルトでは、皇位継承権を巡って争いが起きていた。これは、現皇帝が「アノリス」と呼ばれるようになったきっかけにして、皇帝と皇太子の確執の物語。 …

真夜中の高速道路にひっそりと浮かび上がる、そのS.A.(サービスエリア)。そこは亜弥にとって忘れたくても忘れられない、かけがえのない場所だった。 追憶の扉が今、開き始める。

僕が書いた6通の心のこもった手紙を紹介します。僕の気持ちは結局、伝わらなかったようですが、いいんです。あのとき君の作品に出会えたことが、僕のすべてになったのだから。

雨の日、私はまたあの花を飲む。 ＊第107回コスモス文学新人賞の掌編部門で奨励賞をいただいた作品です。 ＊他サイトでも投稿した作品です。

これは、一人のものぐさ物書きの ①自分の部屋に置いた資料本を取りに行くのがめんどくさい（執筆はリビングでするから） ②ウン百冊の本の中から目当ての本を探すだけでも一苦労 ③記憶力…

お題箱で頂いた「酒と美青年」というお題で書いた600字強の掌編。耽美幻想目指してがんばりました。

俺、坂田雄介は一橋隼人正という一橋家の御曹司に転生した。 そんな俺が平成に戻るには、一橋家が天下を獲るしかないらしいのだが――。 ※小説家になろうにも掲載

ボーイズラブ小説です。短編。 大学受験をひかえた高校三年生の冬。恋人ができてもう半年経つけれど、友人以上の関係には少しも進展しないことに悩む「俺」。うじうじ女々しい主人公なので注…

ボーイズラブ小説です。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。 1,000文字小説に挑戦しました。 コトノハノート様主催企画「集え挑戦者！ 千文字縛りチャレンジ！」に参加させていただきま…

権力を手に入れた男とその妻と、男の腹違いの弟。 弟は男との確執の末自ら命を絶ち、 男は弟の幻を見て心を病んでいく。 男を愛する妻は、男を救おうと思い余り――。 　　　　　　　…

好きな人とアイスを食べていたら、｢好きな人いるの?｣と訊かれて… 恋愛というジャンルを書いたのははじめてなのでベタなストーリーですが。

山深い村の美しい娘が手にしたものは、一体何だったのか——。 幸か、それとも罰か。 ひとが求め続けるものの本性とは、結局だれにもわからない。

ボーイズラブ小説です。4話完結の短編。 同棲しているりょうといぶき。仕事で忙しい恋人を支えたいと思うのに、なかなか上手くいかない。

吾輩は普通の猫。 ご主人は普通の女性。 でもにゃんかおかしいようにゃ？ 不定期同日２話更新。 奇数話は猫視点。 偶数話は魔女視点。 猫視点は「な」が「にゃ」に変換されていますの…

さる城の最奥の間。幾多の屍を乗り越え訪れる勇者を、魔王は嬉々として待ち侘びる。親を殺し友を屠り、死地を共にした伴侶の命を奪い、勇者を取り巻く愛の全てを断ち切った魔王は、この世界で…

街のあちこちに貼られた幸せそうな男女のポスター。 そこから抜け出たような幸せそうな男女のカップル。 ああ、分かっているよ。 クリスマスは、僕のためのお祭りじゃない。 ※本作は拙…

※カクヨム掲載中の『かすみ燃ゆ』の前日談であり、一部に重複表現があります。 東の果て、遥野郷安是の里では、女は恋をすると光る。だが、かすみは十八になっても光らず、〝かすのみ〟扱…

すでに呉が滅んだ時代に、呉出身の、歴史に残らない庶民の男が語ったありし日の思い出話。 無名の一般人が語るタイプの歴史物です。

１８世紀のフランスで実際に起きた、巨大な獣による連続殺人事件。 「ジェヴォーダンの獣」の真実とは。

死んだ寵姫の身代わりに召し出された娘は、めでたく王の寵愛を得た。とはいえ何ら不思議なことはない。新しい娘は、姿形が似ているだけでなく、立ち居振る舞いや言葉の端々にいたるまで死んだ…

差別と偏見に満ちたイエズス会日本教区長、カブラルの見た信長、秀吉、そして本能寺の変。その真相と現代日本人の宗教観。

「相方」の母国アメリカに移住した関西人の「私」が暮らし始めた先は、東海岸南部に位置するバージニア州。『南部州』『旧自治領（Old Dominion）』と呼ばれるその土地で触れた、…

諸葛恪（しょかつかく）は齢二十を迎えた。成人儀礼である冠礼（かんれい）を無難にこなしながら、諸葛恪は冠（かんむり）と字（あざな）、成人の証を待望していた。しかし彼に与えられたのは…

大阪府高槻市。私が生まれ育った街。歴史の息吹が宿る場所。 市内に点在する史跡を訪ねて、のんびり、てくてく、歩いてみると、子供の頃には気付かなかった郷土の魅力を再発見──ああ、や…

架空の帝国イクパルの第一皇子に嫁ぐことが決まっていたアンジャハティ姫は、 けれどその未来に疑問を持っていた。 妾妃も愛妾もたくさん召抱える第一皇子の妻となり、幸せを見つけること…

元書店員の経験談や今思うことをつれづれと。 （元）書店員エッセイ、復活です。 以前連載していた、ラノベ売り場担当時代のあれこれをつづった （https://kakuyomu.j…

1952年、日本で初めてのステレオラジオ放送が始まりました。 まだ戦後の影が色濃く、海の向こうでは朝鮮戦争。 そんな時代の、年末も押し迫った12月の出来事です。 ※立体放送につ…

これはマッチを売る聖夜の少女に起きた幸福の物語。

※性描写アリのボーイズラブ作品です。 マニアック企画の為に書いた物なので、 マニアックな内容となっております。 医師のルース・レイチェルの元に掛かって来た真夜中の電話。 殺人現場…

　西暦三十年頃、一人の男が十字架にかけられて死んだ。 　男は父母を愛し、また人を愛する温厚な人間であった。 　男には死に値する罪など無かった。 　ただ――男の愛は人にとってあまり…