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お宮の壁の中に粽を投げ込んだ話

お宮の壁の中に粽を投げ込んだ話

久志木梓

おすすめレビュー

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★★★
★16
6人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • 馳月基矢
    350件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    つわものどもが夢のあと。あのとき見つめた不思議な色の目の人も、きっと。

    幼い頃、お祭りの日に、宮殿の塀の中へちまきを投げ込んだ。
    塀の中に囲われて暮らすかわいそうな貴族の坊やがそこにいて、
    そのたった1度だけ、ほんの束の間、心が通い合った気がした。

    江南に建っていた孫氏の国、呉。
    その国が滅んで幾年となる頃か。
    酒の肴に語られる、他愛ない話。

    ありふれた昔語りのようでいて、背景にあるのは悲愴な戦乱。
    雰囲気がとてもよい短編で、三國志や歴史物に詳しくなくとも、
    誰にでも楽しめる作品だと思いました。せつない読後感が素敵。

    • 2018年2月15日 03:39