十歳になった王子についた護衛士。それは同い年の少女でした。
一生を共にする専属の護衛士の彼女は、そのまだ短い人生の時間を、護衛士になるための訓練に費やしてきたため、心を失っているようでした。
そんな彼女と心をかわそうと決意する王子。
そうして、十年の歳月が経った二人の関係は――
そんなまさか……! と思わせられる切ない結末が衝撃的でした。
短編ですが、心理描写が丁寧に表現されていて、その衝撃が胸に刺さってきます。
素直に、幸せになって欲しいと思える二人。その二人の、関係が行きつくところとは……。
ぜひ、見届けてみてください。
文章は静謐さを持ち、手触りはしっとりとしている。この作品は、幼い王子が、自分と同世代の従者と出会い、別れるまでの物語。
幼い王子の護衛に着いたのは、何と王子と歳の変わらぬ少女であった。戸惑う王子。淡々と事務的な言動しかできない少女。王子は賢者の助言により、少女の「人間らしさ」を取り戻すと決める。そして徐々に、二人の関係に変化が訪れるのだが、時は残酷だ。幼いとされた二人は、結婚が出来る年齢まで成長していた。王子は、もちろん政略結婚をまじかに控えることとなる。その時、少女は……?
さらに少女の正体とは? 意外なラストを見逃さずにご覧ください!
その時、貴方の胸には苦しいほどの切なさが押し寄せるはずです。