第430話

「まあ、夏樹の気持ちは分かるよ。

大切すぎて手を出せない、だけどその反面めっちゃくちゃにして、俺だけのものにしたいって気持ち。」



飛鳥なら上手くやるんだろうな



「でも、そんなことどうでもいいんだよ。

好きな女が側にいて、触れられるって幸せなんだ。

それに、女はそんなに弱くない。況してや、俺やお前が選んだ女だよ。」



飛鳥の言葉は心にストンッと入ってくる




「どんな夏樹でも受け入れてくれる。

過去にどんだけ女を抱いていようが、男とヤッた事があったとしてもあの子は夏樹を軽蔑することはないさ。

だって、あの子夏樹のこと大好きじゃん。」



俺より伊吹を分かってるような口振りで話す




「うっせえよ、そんなこと知ってんじゃねえの。

あー、くそっ。こんなの初めてなんだよ。

童貞かよって思うくらい手が震えてやんの。

女がどう思おうとどうでも良かったのによ、伊吹だけには嫌われたくない。」



数え切れない女を抱いた筈なのにそんなのなんの役にも立たない



経験とかテクニックとかそんなの関係ない



本当に大切な女に触れるのがこんなに怖いと思わなかった

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