第325話
「話してくれてありがとう。俺はそれでも伊吹と一緒にいたい。初めてなんだ、女にここまで関わりたいと思った。」
あたしの話を聞いても退かずに受け入れてくれる。
「多分、一目惚れだった。ここまで欲しいって思ったのも初めてだ。」
零くんの言葉に心が癒される。
それと同時に戸惑いも生まれる。
「別に返事は望んでない。
それに困らせるために言ったんじゃない。ただ、知ってて欲しかっただけだ、俺の気持ちを。
今日はありがとな、また連絡する。」
そう言って零くんはバイクに跨り激しいエンジン音を奏でながら去って行った。
気持ちの整理がつかない。
あたしが好きなのは今も先生であることに変わりない。
だけど、零くんの言葉も嬉しかったし、抱きしめられて安心感も得られた。
こんな弱い自分が嫌になる。
零くんに縋り付きたくなる。
ほんとに難しいよ、心ってものは。
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