第415話
「伊吹、別に無理して馴染もうとしなくてもいいよ。
ただ、ここにいる人たちどんなお前でも受け入れてくれる。」
色んな人の視線を集めビクビクとしているとそう声をかけてくれる。
誰にも聞こえないような囁く声で。
「うん、大丈夫。」
人は怖い、言葉は怖い
でも、大切な人が大切にしている人たちにあたしを知って欲しい。
大好きな先生の仲間なら怖くないよ。
「あのっ・・・、わたし伊吹です。
先生にはたくさんお世話になりました。
そんな先生の友達の皆さんと仲良くしたいと思います。
よろしくお願いします。」
ガヤガヤと煩かった室内がシーンと静まり返る。
恥ずかしくて顔に血液が集まり赤く染まるのが分かる。
前を向くのが怖くて俯いてしまう。
心臓が張り裂けそうだ。
助けを求めるように先生を見ると驚いた顔で私を見ている先生と目が合う。
「・・・ふっ、強くなったな。」
優しく笑う先生。
「おう!よろしくな。伊吹ちゃん!」
「先生とかエロいな。夏樹幸せになれよ!」
「伊吹ちゃん、可愛い。」
「夏樹ずりぃぞー!こんないい子捕まえて!」
あたしを受け入れてくれる声が沢山聞こえる。
みんな笑顔であたしを優しく包み込んでくれる。
先生の言う通り此処にいる人たちは怖くない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます